白毫銀針

白毫銀針（はくごうぎんしん）とは

白毫銀針（パイハオインジェン）は、中国茶の中でも特に高級とされる白茶の一種です。英語では「Silver Needle」と表記され、その名の通り、銀色の産毛に覆われた針のような形状の茶葉が特徴です。

概要

白毫銀針は、白茶の中でも最高級品とされ、限られた地域でのみ生産される希少な茶葉です。主な産地は、中国福建省の福鼎市や政和県などです。これらの地域で収穫される若芽のみを使用し、丁寧に作られています。

福鼎市で生産される白毫銀針は、清代から続く歴史を持ち、「北路銀針」とも呼ばれています。一方、政和県産のものは1889年から生産が始まり、「南路銀針」と呼ばれています。白毫銀針自体の歴史はさらに古く、北宋時代の皇帝、徽宗が愛飲し、自身が著した茶書『大観茶論』にも記述があります。

特徴

白毫銀針の最大の特徴は、茶葉全体を覆う銀色の産毛です。これは、若芽が持つ自然なもので、この産毛が多いほど高品質とされています。また、白毫銀針は、その繊細な風味も魅力です。上品な甘みと、かすかな花の香りが特徴で、他の茶葉にはない独特の味わいを楽しめます。

淹れ方

白毫銀針は、その美しい茶葉の様子を鑑賞しながら楽しむのがおすすめです。そのため、ガラス製の急須を使用すると良いでしょう。

1. 潤茶：まず、茶葉を優しくお湯で湿らせる「潤茶」を行います。これは、固い茶葉を開きやすくし、より美味しくお茶を淹れるための準備です。一煎目は、茶葉の汚れを落とす「洗茶」と同じように捨てます。
2. 温度：お湯の温度は、75度から80度と少し低めにします。高温で淹れると、茶葉の繊細な風味が損なわれる可能性があります。
3. 抽出時間：抽出時間は、5分から10分と長めに取ります。茶葉がゆっくりと開き、旨味が抽出されるのを待ちます。
4. 蒸らし：抽出が終わっていない間は、茶葉が蒸れすぎないように急須の蓋を開けておきましょう。

白茶には、茶葉の産毛が浮くことがありますが、これは旨味の証拠です。産毛が多いほど、高品質で美味しい白茶と言えるでしょう。

余談

「白毫」という言葉は、紅茶のオレンジペコーなどに使われる「ペコー（pekoe）」の語源であるという説があります。これは、茶葉の先端にある白い産毛を指す言葉が、世界中で使われている証拠と言えるでしょう。

まとめ

白毫銀針は、その希少性と繊細な味わいから、多くの茶愛好家を魅了する白茶です。丁寧に淹れることで、その上品な風味と美しい姿を堪能できます。ぜひ、一度お試しください。

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