白水村 (熊本県阿蘇郡)

白水村：阿蘇の湧水と自然に抱かれた村

熊本県南阿蘇地域に位置していた白水村は、2005年2月13日、久木野村、長陽村と合併して南阿蘇村となりました。阿蘇山の南麓、南郷谷と呼ばれるカルデラ内の広大な地域に広がり、その豊かな自然環境から「水の生まれる里」として知られていました。

地理と自然環境

白水村は、阿蘇山南側の広々とした盆地に位置していました。村内には白川水源や竹崎水源など、8カ所の湧水が存在し、清冽な水が豊富に湧き出る地域として有名です。この恵まれた水環境は、村の生活や産業を支える重要な基盤でした。

歴史

明治22年（1889年）4月1日、町村制施行に伴い、吉田村、白川村、両併村、一関村、中松村が合併して白水村が誕生しました。それから約116年の歴史を経て、平成17年（2005年）2月13日、近隣の村との合併により南阿蘇村となり、白水村としての歴史に幕を閉じました。

行政と地域

白水村の行政の中心は村役場であり、村長が行政を担っていました。桐原夏雄氏は1987年から2005年まで村長を務め、合併まで村政を牽引しました。村内には、村民生活を支える様々な公共施設が存在していました。また、村は株式会社はくすいを設立し、91％の株式を保有していました。同社は白水温泉「瑠璃」、物産館「自然庵」、水加工場「はくすい」、そして「白水郷美術館」の運営管理を受託していました。村長が同社の代表取締役を兼務していた点も特筆すべきです。

教育

教育面では、白水村立白水中学校、白水村立白水小学校、白水村立中松小学校、白水村立両併小学校が設置されていました。これらの学校は合併後、南阿蘇村立の学校となりました。

交通

白水村へのアクセスは、道路と鉄道の両面から確保されていました。国道325号が主要な道路として村内を通過し、南阿蘇鉄道高森線が村の中心部を通っていました。「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」をはじめ、数駅が村内に設置されていました。

観光

白水村は、阿蘇山の雄大な自然と、豊かな湧水資源を活かした観光地として知られていました。阿蘇山の中央登山道、白水神社、瑠璃温泉、南阿蘇ルナ天文台（九州最大級の82cm望遠鏡を備える）、そして一心行の大桜など、多くの観光スポットが存在していました。特に、白川水源や竹崎水源といった湧水地は、村を代表する観光資源であり、多くの観光客を魅了しました。

白水村の遺産

白水村は、その短い歴史の中で、豊かな自然と文化を育んできました。合併によって村としての存在はなくなりましたが、その自然環境や歴史、文化は、南阿蘇村の一部として受け継がれ、現在も人々に愛されています。そして、白水村の経験は、今後の地方自治体のあり方について、貴重な示唆を与えてくれると言えるでしょう。 湧水群や、美しい自然景観は、これからも多くの人々を惹きつけ続けることでしょう。

参考文献

国土地理院 地図閲覧サービス
南阿蘇村商工会

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