白江治彦

白江治彦（しらえはるひこ）は、1938年1月16日生まれの日本の囲碁棋士です。石川県小松市出身で、大窪一玄門下で囲碁を学びました。日本棋院に所属し、2004年に引退するまで、プロ棋士として活躍しました。その棋風は、中央での戦いを好み、独特な着点である大高目や「浮かび」を多用することで知られています。

白江治彦は、アマチュアへの囲碁普及活動に非常に熱心で、多くのファンを指導しました。その指導を受けた人々の多さから、「門弟三千人」と称されることもあります。また、軽妙なトークを活かして、囲碁番組の司会を数多く務め、囲碁界の裾野を広げる上で多大な貢献をしました。これらの功績は、囲碁界において非常に高く評価されています。

白江治彦の棋士としての主な経歴は以下の通りです。

1957年：入段
1970年：五段
1976年：海外での普及活動を開始。オーストラリアやフランスなどで囲碁を指導。NHK囲碁講座の講師を初担当（以降4度担当）。
1977年～1987年：TBS「囲碁アワー」のキャスターを務める。
1984年：七段
1993年～1996年：NHK衛星放送「囲碁将棋ウィークリー」のキャスターを務める。
1997年：230面打ちの世界記録を達成。100面打ち以上を14度こなす。
2004年：現役引退。八段を贈られる。
2006年：NHK大河ドラマ「功名が辻」で囲碁指導を担当。

受賞歴としては、テレビ囲碁番組制作者会賞（1987年）、日本囲碁ジャーナリストクラブ賞（1991年）、普及功労賞（1996年）、大倉喜七郎賞（2008年）などがあります。

また、白江治彦は独特な布石「アポロ流」を創案したことでも知られています。この布石は、図のように第六線に三連打するもので、一時期多用されました。白江は、この布石を使って藤沢秀行を破った碁を「生涯思い出の一局」として挙げています。

白江治彦は、数多くの著書も執筆しています。主な著書は以下の通りです。

『やさしい囲碁入門』(1979年)
『誰も言わなかった碁の本―どんどん強くなる22の急所』(1979年)
『実戦に役立つ手筋』(1980年)
『詰碁・手筋がいっぱい』(1981年)
『碁この法則を知っておけ : "勝つ一手"秘密集』(1981年)
『序盤・次の一手 : 囲碁・実力判定<問題集>』(1983年)
『中盤・次の一手 : 囲碁・実力判定<問題集>』(1983年)
『終盤・次の一手 : 囲碁・実力判定「問題集」』(1984年)
『二間ビラキ』(1989年)
『白江流囲碁問題集 : ちょいといっぷく』(1992年)
『マンガ囲碁入門』(1994年)
『白江流囲碁問題集 続』(1994年)
『白江治彦の手筋・ヘボ筋 : 初・中級者から脱皮しよう』(1998年)
『手筋との対話』(1999年)
『布石上手はあとが楽 : 次なる戦いに備えて』(1999年)
『詰碁をヨム』(1999年)
『囲碁ゲーム入門』(1999年)
『互先定石を置碁に : 一子得する』(2000年)
『アマの碁これでパワーアップ詰め碁』(2000年)
『アマの碁ここが悪い 4 (勝つ手筋)』(2001年)
『アマの碁ここが悪い 5 (勝つ置碁)』(2001年)
『誰も言わなかった碁の本』(2003年)
『いちばんわかる囲碁の基本入門』(2003年)
『碁この法則を知っておけ』(2003年)
『アマの碁ここが悪い 6 (勝つ互先)』(2004年)
『これで十分白江式上達する詰碁』(2004年)
『次の三手 : 読みの精度を磨いて勝率アップ!』(2005年)
『白江治彦の置碁戦略』(2005年)
『次の一手 : 大局観を磨いて接近戦に勝つ!』(2005年)
『すぐに役立つ実戦次の一手 : 厳選150題』(2006年)
『白江流上達の法則 : 強くなる14の急所』(2006年)
『名人の脳ドリル詰碁』(2008年)
『誰も言わなかった碁の上達法 : どんどん強くなる30の急所』(2014年)
* 『いちばんわかりやすい囲碁入門 : オールカラー』(2014年)

これらの著書は、初心者から上級者まで、幅広い層の囲碁ファンに支持されています。白江治彦の息子である白江徹一は、ダイヤモンド囲碁サロンを経営しています。

白江治彦は、その独特な棋風と、囲碁普及への貢献により、囲碁界に大きな足跡を残しました。

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