大高目

大高目（おおたかもく）

囲碁における大高目とは、碁盤の隅から数えて4線と6線が交わる地点（4-6または6-4）を指す言葉で、高高目とも呼ばれます。布石の段階で隅の着点として打たれることは比較的稀ですが、特定の棋士によって戦略的に用いられたことがあります。

大高目の位置

大高目は、一つの隅に2箇所存在しますが、どちらに打っても基本的な意味は同じです。ただし、盤上の他の石の配置によって、その戦略的な意味合いは大きく変化します。

大高目の特徴

大高目は、四線と六線の交点に位置するため、隅に対してやや甘いものの、辺への影響力が大きいという特徴があります。このため、相手に隅への侵入を誘い込み、それに対して勢力を築くという戦略が考えられます。

大高目からの展開

シマリ

大高目からのシマリは、一般的には小目（a）が用いられます。しかし、周辺の状況によっては、bからdまでの変則的なシマリも有効な手段となります。

カカリ

相手からのカカリは、小目（a）が最も一般的です。これに対し、大高目を打った側は、bへのツケ、cへの圧迫、または手抜きといった対応策を講じることができます。また、状況によっては、bへの三々入りや、dのように一歩引いたカカリも考えられます。しかし、eへの星へのカカリは、fと両ガカリされる可能性があり、一般的に不利とされています。

アポロ流

一時期、白江治彦が多用した、図の黒のような大高目からの布石は、当時月面着陸を成功させたアポロ11号にちなんで「アポロ流」と呼ばれていました。この布石は、大高目の特徴を最大限に活かした戦略であり、多くの棋士に影響を与えました。


大高目は、隅の確保と辺への展開を同時に狙える、戦略的な価値の高い着点です。その使いこなしは、囲碁の奥深さを象徴する要素の一つと言えるでしょう。

もう一度検索