白河小峰城

白河小峰城の概要と歴史

白河小峰城（しらかわこみねじょう）は、福島県白河市に位置する歴史的な城であり、国の史跡に指定されています。また日本100名城の一つにも名を連ねています。単に小峰城とも呼ばれますが、周辺には別の白川城址も存在し、地元では主に白河小峰城を指しています。

地理的位置と構造

この城は阿武隈川と谷津田川の間に築かれ、小峰ヶ岡という丘陵上に位置する平山城です。総石垣構造を有し、東北地方では珍しい存在とされています。盛岡城や若松城と共に「東北三名城」の一つとして挙げられることもあります。現在、本丸や二の丸の一部が残っており、周辺は城山公園として整備されている他、公園内には結城氏や阿部氏に関する資料を展示した「白河集古苑」も存在します。

本丸は北端に位置し、南には二の丸、三の丸へと広がる形状をしています。護りとしては本丸の周囲に帯廓があり、二の丸までは総石垣で固められていましたが、三の丸からは一部に土塁が見られます。1980年代に行われた発掘調査によって、縄張りの現状が明らかになり、その後の復元作業に活かされています。

歴史的背景

白河小峰城の起源は南北朝時代の1340年、結城親朝によって築城されたことに始まります。当初は本丸と三の丸北端の丘陵部が城域でしたが、1590年には城主の変遷があり、数回の改修や火災に見舞われました。特に戊辰戦争においては激しい攻防が行われ、城は大部分が焼失しました。

近代になると、1873年に廃城令が出され、その後城跡は公園や球場として活用されました。しかし、1991年には本丸跡に御三階櫓が木造で復元され、当時の城郭の姿を再現する試みが始まりました。

復興的な試み

東日本大震災によって再び傾いた白河小峰城は、数箇所の石垣修復を経て2015年には再度入城が可能となりました。復元事業の一環として、2020年には本丸正面の清水門の復元が目指され、2024年度の完成予定で新たなプロジェクトが進行中です。

現存の建造物

現在の白河小峰城には、復元された三重櫓があります。これは江戸時代に建てられたもので、構造は複合式層塔型の3重3階の櫓です。その内部には当時の歴史を語る要素が残されており、訪れる人々に城の栄華を伝えています。

また、現存する建物には太鼓櫓という遺構もありますが、こちらは1873年に民間に払い下げられた後、何度か移築されたため、原型は大きく損なわれています。それでも、その存在は白河小峰城の歴史的な価値を現代に伝える貴重なリンクとなっています。

伝説と文化

白河小峰城には「おとめ桜」の伝説があるなど、地域の文化や伝説との繋がりも深いです。この桜は、城の大改修時に人柱として捧げられた「おとめ」の物語に由来し、今に残る伝説として城の歴史を物語っています。

白河小峰城はその歴史的背景を持ち、地域の文化や観光の一部として今も多くの人々に親しまれています。訪れる人々にその魅力を伝え続けるこの城は、歴史の教訓を学べる貴重なスポットでもあります。

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