白洪錫

白洪錫の生涯と功績

白洪錫（ペク・ホンソク、1890年1月11日 - 1960年10月4日）は、大日本帝国陸軍と大韓民国陸軍の両方でキャリアを積んだ軍人である。彼は韓国における在郷軍人会の初代会長を務め、その軍歴は日本と韓国の歴史が交錯する中で展開された。彼の本貫は水原白氏であり、特に日本名は徳川栄一だった。

初期の経歴

白洪錫は平安南道徳川郡に生まれ、大韓帝国の陸軍武官学校に入学したが、日韓併合を受けて日本の陸軍中央幼年学校に進学した。彼はその後、陸軍士官学校を卒業し、1915年には岡山市の第17師団歩兵第54連隊に配属され、陸軍歩兵少尉として任官した。

徐々に昇進していく彼は、1919年には中尉、1929年には大尉に昇進した。その後は、陸軍調査員として国勢調査に従事し、国勢調査記念章を受賞するなどの業績を残した。彼は1934年に少佐に昇進し、平壌にて第20師団歩兵第77連隊に勤務する。

軍事キャリアの拡大

1937年には平壌の第17師団歩兵第54連隊に転任し、1939年には新義州地域の防空司令官として活動を始めた。また、1940年には平安北道防空委員会の委員に就任し、地域の官憲を統率しながら防空の統制と訓練を担当した。これらの業務によって、彼は中佐に昇進する。しかし、1943年には一時退役し、翌年には予備役中佐として京城陸軍兵事部の課長に任命された。

韓国陸軍への参加

1948年に韓国陸軍に入隊した白洪錫は、任大領として特別部隊の指揮を担当した。1950年には青年防衛隊第3団の訓練指導官として活躍し、その後ソウル地区兵事区の司令官に任命された。1951年には国防部第4局の局長に就任し、翌年には韓国在郷軍人会初代会長に選出されるなど、彼の影響力は増していった。

叙勲と評価

白洪錫は乙支武功勲章や忠武武功勲章を受賞し、1954年にはレジオン・オブ・メリットも授与される。こうした戦功は彼の軍事キャリアの一部を形成している。彼の業績は多岐にわたるが、2009年に発表された親日反民族行為真相糾明委員会の報告書では「日本軍中佐出身の白洪錫は日本帝国主義の軍隊に貢献した」と記載されており、評価は一様ではなかった。

結び

白洪錫の人生は、日本と韓国、そしてその軍事的背景が密接に絡み合うものであり、彼の行動はその後の韓国の軍事史において重要な位置を占めている。彼の功績と理念は、韓国の近代史における複雑な側面を映し出している。本国では賛否が分かれる存在であるが、彼の軍歴は確かに韓国の歴史の一部であり続けている。

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