白滝遺跡

白滝遺跡の詳細

白滝遺跡（しらたきいせき）は、北海道紋別郡遠軽町に位置する後期旧石器時代の重要な遺跡群です。この遺跡は、70以上の遺物が出土した場所として知られ、特に黒曜石の主要な供給地のひとつです。周辺地域の十勝三股や置戸と並び、貴重な石材の資源として名高いです。

遺跡の概要

白滝遺跡は、標高約420メートルの位置にあり、湧別川の右岸に広がっています。遺跡は東西に約200メートル、幅が数十メートルの平坦な台地上に展開しており、良好な保存状態が保たれています。この場所では、遺物の種類と出土状況に基づいて、文化層をⅠとⅡに分けて研究されています。

特に白滝Ⅱの文化層からは、湧別技法によって作られた舟底型石器が発見されていますが、Ⅰの層ではその技法は確認されていません。放射性炭素年代測定法と黒曜石の水和層測定法を用いると、Ⅰの文化層はおよそ20000年前から15500年前、Ⅱは15000年前から12000年前に相当することが明らかになっています。

黒曜石の重要性

遺跡の近くには、大規模な黒曜石の露呈が見つかっており、白滝村は日本で最大規模の黒曜石の産地として名高いです。この地域は数多くの旧石器時代の遺跡が存在し、考古学的な価値が高いことが伺えます。

1989年1月には約2万2千平方メートル、1997年9月には33万平方メートルの遺跡が国の史跡に指定されました。2023年には、出土した黒曜石の石器や製作時に発生した破片など、計1965点が国宝に指定され、これは日本最古の時代での国宝としての位置付けを受けたのです。

発掘の歴史

白滝遺跡は1927年に遠間栄治によって発見され、その後1953年に吉崎昌一の研究によって旧石器時代の遺跡であることが確認されました。その後、昭和20年代末には「白滝遺跡群」として知られるようになり、13の遺跡地点が特定されています。昭和30年代初めには小規模な発掘が行われ、舟底型石器やその他の石器が出土しました。

1980年代に入ると、木材の搬出道路工事の影響で多くの石器が露出し、遺跡の保存が危惧される状況が続きました。そのため、発掘調査が行われ、地表から約1メートル下の層から湧別技法による細石刃の含まれた石器が発見されました。これにより、460万点、重さは10トンに及ぶ石器群が確認され、その内容は多様性に富んでいます。

文化財としての位置づけ

白滝遺跡は、国宝や国史跡としての重要な地位を占めており、その発見と研究は日本の考古学において大きな成果となっています。特に2023年に指定された国宝は、日本の旧石器時代における貴重な文化遺産として、今後の研究や教育においても重要な役割を果たすことが期待されています。

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