白石鍋島家

白石鍋島家の歴史と系譜

白石鍋島家（しらいしなべしまけ）は、武士の家格を持つ著名な家系で、鍋島氏の庶流に位置します。この家系は、江戸時代に佐賀藩の藩主であった鍋島家の一門に由来し、維新後には士族を経て華族に昇格しました。その歴史的背景や現在に至る経緯を振り返ります。

創立の背景

白石鍋島家の始まりは、肥前国の佐賀藩主である鍋島勝茂の六男、鍋島直弘の代にさかのぼります。直弘は、佐賀藩内で一門の家臣として独立し、三養基郡に9000石の領地を与えられ「白石鍋島家」を称しました。その後、領地はさらなる加増を受け、2万2070石となります。藩内における彼らの地位は「親類」とされ、藩主に近しい存在であったことがうかがえます。

幕末と維新の時代

幕末の頃、家の当主は鍋島直暠でした。直暠は維新の際、藩主を補佐する役割を果たし、勤王の志をもって藩内での活動を展開しました。こうした活躍が評価され、維新後の家族の地位に影響を与えました。明治維新後、白石鍋島家は当初は士族の地位に留まっていましたが、明治17年には華族制度の導入が行われた際に男爵候補としての名が挙がることになります。

男爵への叙爵とその後

しかし、最終的には旧万石以上の陪臣は授爵対象外となり、白石鍋島家は士族としての地位を保つこととなりました。明治15年から16年頃には、直暠の子である直明への叙爵請願が宮内省に提出され、1895年に直明が男爵に叙せられます。直明自身は陸軍の少将まで昇進し、日清戦争や日露戦争での戦功が認められていました。さらに、貴族院の男爵議員に3回当選するなど、彼の政治的影響力も持ち合わせていました。

晩年とその影響

直明の子、直高は東京市大森区久ヶ原町に住居を構えていましたが、1955年に発生した手形詐欺事件で逮捕され、この事件によって「鍋島ネコババ騒動」と称される騒動が巻き起こりました。直高の事件は家族の名に影響を与え、白石鍋島家の運命を再び揺るがす結果となりました。

参考文献について

白石鍋島家を詳しく知るためには、以下の参考文献が役立ちます。

• - 『華族大鑑』（華族大鑑刊行会、1990年）
• - 『〈華族爵位〉請願人名辞典』（松田敬之、2015年）
• - 『日本名門・名家大辞典』（森岡浩、2012年）

白石鍋島家は、江戸時代から現代にわたり、さまざまな困難を乗り越えてきた家系であり、その歴史的意義は特筆に値します。

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