白石食品工業

白石食品工業株式会社

岩手県盛岡市に本拠を構える白石食品工業株式会社は、主にパン製品の製造販売を手がける製パン事業者です。広くは商標である「シライシパン」として認知されており、地元東北地方を中心に、北関東地域にも販路を広げています。

会社概要と事業展開

製パン大手メーカーが加盟する一般社団法人日本パン工業会に属していますが、売上規模においては、加盟企業の中で比較的小規模なグループに位置付けられています。

事業においては、独自ブランド製品と提携先ブランド製品の双方を展開しています。独自ブランド製品では、東北地方産の小麦やジャムの原料などを積極的に活用し、地域に根ざした「地産地消」をコンセプトにしたシリーズ開発を進めています。

また、敷島製パン株式会社（Pascoブランド）とは緊密な協力関係にあり、東北地方における「Pasco」ブランド製品の製造供給を担うなど、広範なエリアフランチャイズに近い役割を担っています。同社からは10%の資本参加も受けており、提携関係の強固さがうかがえます。

さらに、2009年には第一屋製パン株式会社から仙台工場を譲り受けたことは、事業における大きな転換点となりました。この工場取得は、第一屋製パンが東北地方から事業撤退する契機となりましたが、白石食品工業にとっては「シライシパン」ブランド製品の生産能力強化と、東北エリアにおける「Pasco」ブランドのライセンス生産体制の確立に繋がり、両ブランドの市場拡大を後押ししました。この事業再編に伴い、人気アニメ「ポケモン」シリーズのキャラクターパンに関する東北地方でのライセンス生産権も取得し、製品ラインナップを多様化させています。

沿革

白石食品工業の歩みは、1948年に盛岡市大慈寺町で「白石パン」として創業したことに始まります。

1953年 - 白石食品工業株式会社へ組織変更し、社名を改称しました。
1978年 - ロゴマークの統一を実施しました。
1983年 - 店舗内でパンを製造販売するインストアベーカリー事業「ブランドール」の展開を開始しました。
1988年 - 子会社として株式会社生活工房を設立しました。
1989年 - 新たな形態のベーカリーショップ「シンフォニー」を開店しました。
1992年 - 敷島製パン株式会社からの委嘱を受け、「Pasco」ブランド製品の製造を開始しました。
2008年 - 第一屋製パン株式会社が所有する仙台工場を、17億円超で買収することを決定しました。
2009年 - 買収した仙台工場の譲渡手続きを完了し、本格的な操業を開始しました。
* 2013年 - 白石食品工業の直営ベーカリーとして、「PanoPano」の事業を開始しました。

生産拠点と直売所

主な生産拠点として、岩手県盛岡市に位置する本社工場と、宮城県黒川郡大和町にある仙台工場（旧第一屋製パン仙台工場）の二箇所を稼働させています。

また、これらの工場入口脇や、岩手県紫波郡紫波町には、一般向けのパン販売所が設けられています。これらの販売所では、様々な種類のパンが非常に手頃な価格で購入できるため、多くの利用者に親しまれています。

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