白雪 (初代神風型駆逐艦)

白雪（初代）

大日本帝国海軍に所属した駆逐艦、白雪（しらゆき）は、明治時代後期に建造された神風型駆逐艦（初代）シリーズの六番艦として歴史に名を刻みます。同名の吹雪型駆逐艦が存在するため、この白雪は「白雪（初代）」や「白雪I」などと呼ばれて区別されるのが一般的です。

建造

その建造は、明治時代にあたる1905年（明治38年）2月15日に「製造番号第6号」として命名されることから始まりました。起工は三菱長崎造船所にて、1905年5月26日に行われましたが、別の資料では1904年6月20日とする記録も存在します。船番は167でした。

約一年の建造期間を経て、1906年（明治39年）5月19日に無事進水しました。そのわずか3日後の5月22日には正式に駆逐艦として艦種登録され、同年8月6日に全ての工程を終えて竣工に至りました。

艦歴

竣工後、白雪はその活動を開始します。特に特筆すべきは、その後の日本の主要な作戦への参加です。

第一次世界大戦: 勃発すると、白雪はドイツが権益を持つ中国の青島への攻撃、いわゆる青島の戦いにおいてその力を発揮しました。また、戦時中はシンガポール方面での警備活動にも従事し、日本の権益保護や交通路の確保に貢献しました。
シベリア出兵: 第一次世界大戦終結後も、ロシア革命に端を発するシベリア出兵では、沿海州地域の沿岸警備という重要な任務にあたりました。

長年にわたり帝国海軍の一翼を担った白雪ですが、時代の移り変わりと共にその役割を終える時が来ました。1924年（大正13年）4月1日をもって、白雪は帝国海軍の艦籍から除かれ、その波乱に富んだ艦歴に幕を閉じました。

歴代駆逐艦長

竣工から除籍までの約18年間、白雪は複数の駆逐艦長によって指揮されました。その指揮官たちの任期は様々で、短い期間で交代することもあれば、比較的長く指揮を執る人物もいました。

記録によれば、初代艦長は増田幸一大尉が務め、その後、寺島宇瑳美大尉、小倉卯之助大尉など多くの士官が白雪の艦長を歴任しています。最後の艦長は、除籍前の時期に任務にあたった後藤伝治郎大尉や兼任で指揮を執った帖佐敬吉少佐であったと考えられます。こうした歴代の艦長たちの手腕のもと、白雪は与えられた任務を遂行し、その歴史を紡ぎました。

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