白雪姫と七人の悪党たち

白雪姫と七人の悪党たち

1971年4月17日から同年8月28日にかけて、TBS系列の毎週土曜日22時台に放送された連続テレビドラマです。全20話が制作・放送されました。

概要

本作は、神奈川県川崎市の工場が立ち並ぶ地域に根差すテキ屋、「二階堂一家」を中心とした人情コメディーとして描かれます。物語の軸となるのは、この一家の娘であるユリコと、彼女を取り巻く七人の個性豊かな子分たちです。世間とは少し離れた環境で育った娘と、荒っぽいながらも人情味あふれる子分たちが繰り広げる騒動や触れ合いが、ユーモラスなタッチで描かれます。

主人公のユリコは、生まれてすぐ北海道の修道院に預けられ、自身の父親である二階堂ケン吉のことを全く知らずに育ちました。彼女は、父親は堅実な実業家であると信じて疑いませんでした。その後、ユリコはミッションスクールで英語教師として勤めていましたが、ある日突然「チチキトク」という電報を受け取ります。これがきっかけとなり、彼女は初めて会うことになる実父の元へ向かう決意をします。

慣れないテキ屋の世界に飛び込んだユリコと、彼女の存在に戸惑いながらも次第に絆を深めていく七人の子分たち、そして頑固だが根は優しい父親との交流を通じて、様々な人間模様が描かれます。

主な登場人物とキャスト

物語を彩る個性豊かな登場人物たちは、当時の人気俳優によって演じられました。

二階堂ユリコ: 吉永小百合
修道院育ちの純粋な女性。父の危篤を知り、初めてテキ屋の世界に足を踏み入れます。
二階堂ケン吉: 藤原釜足
ユリコの父親であり、二階堂一家の親分。娘との突然の再会に戸惑いを隠せません。
川島八郎（元締）: 藤岡琢也
マダラスの健: 林隆三
銀次: 常田富士男
たそがれの長: 加藤嘉
フーテンの辰: 花紀京
伝坊: 頭師佳孝
だるまのお米: 山田桂子
殿岡神父: 杉浦直樹
おけい: 渚まゆみ
大貫親分: 多々良純
ユリコの伯父にあたる人物です。
ぽん太（芸者）: 春川ますみ
チエコ: 玉川砂記子
お米の娘です。

その他にも、金太郎役の早崎文司（第4話ゲスト）、田中役の太宰久雄（第10話ゲスト）、丹下キヨ子、宮前ゆかり（第12話ゲスト）、小林（工場の組合員）役の工藤堅太郎（第13話～第15話ゲスト）など、多彩なゲスト出演者が各回に登場し、物語に深みを加えました。

スタッフ

脚本: 小松君郎（第1話～第5話、第12話～第15話）、北村篤子（第6話～第11話、第16話～第20話）
脚本は複数の作家によって分担して執筆されました。
演出: 西村大介、大鹿和男ほか

余談

本作が終了してからおよそ1ヶ月後に、同じTBS系列で放送が始まった特撮番組『好き! すき!! 魔女先生』は、企画段階では『かぐや姫先生』というタイトルが検討されていました。しかし、『白雪姫と七人の悪党たち』の視聴率が想定よりも振るわなかったことから、放送局側から「○○姫」とつくタイトルは縁起が良くない、という声があがり、『好き! すき!! 魔女先生』へ急遽改題されることになった、というエピソードが残されています。このことから、当時のテレビ番組制作におけるタイトルの重要性や、前番組の結果が影響を与える一端がうかがえます。

関連項目

TBS土曜10時枠の連続ドラマ

このドラマは、当時の日本の社会背景や人情の機微を描きつつ、吉永小百合演じる純粋な主人公と、対照的な環境で生きる人々との交流を通じて、温かい笑いと感動を提供しようとした作品と言えるでしょう。

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