白馬節会

白馬節会（あおうまのせちえ）

白馬節会は、古くから日本で行われてきた年中行事の一つです。

概要

毎年1月7日に、天皇が豊楽院（のちには紫宸殿）に出御し、邪気を祓うとされる白馬を庭に引き出し、群臣らと共に宴を催す儀式です。この行事は、無病息災を祈る意味合いを持っていました。

白馬節会の起源には、中国の故事が影響しています。当初は、青みがかかった黒馬（「アオ」と呼ばれた）が使用されていましたが、醍醐天皇の時代になると、白馬または葦毛の馬が用いられるようになりました。しかし、その読み方は変わらず「白馬（あおうま）」として受け継がれました。

現在では、宮中での行事としては行われていませんが、京都市北区にある上賀茂神社や大阪府大阪市にある住吉大社などの神社で、神事としてその名残をとどめています。

由来

白馬節会の由来は諸説ありますが、一説には、正月の最初の午の日に、神に白馬を献上する祭事から来ていると言われています。また、中国の陰陽五行思想の影響を受けて、白馬が邪気を祓う力を持つと考えられたことも、この行事の成立に影響を与えたと考えられています。

意義

白馬節会は、単なる儀式ではなく、その年の豊作や人々の健康を祈願する重要な行事でした。天皇や群臣が共に宴を催すことで、国家の安泰を願う意味合いも込められていました。

現代における白馬節会

現代においては、上賀茂神社や住吉大社などで、白馬節会の神事が執り行われています。これらの神社では、白馬を神前に引き出し、神職が祝詞を奏上することで、人々の無病息災を祈願しています。一般の参拝者もこの神事を見学することができ、古来からの伝統に触れることができます。

参考文献

蜷川壽惠、毛利和夫、高山繁、中里裕司、野呂肖生 著、全国歴史教育研究協議会 編『改訂版日本史B用語集』（改訂版）山川出版社（原著2009-3-30）。ISBN 978-4634013025。

関連項目

節会
白馬
年中行事

外部リンク

有職故実 年中行事 - ウェイバックマシン
風俗博物館 白馬節会

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