白骨夫人

白骨夫人について

白骨夫人は、中国の古典文学『西遊記』に登場する有名な妖怪です。彼女は、第二十七回に登場し、妖怪の中でも特に印象的なキャラクターとして知られています。白骨夫人は、白虎嶺という山に住んでおり、その正体は深山から発する霊気により僵屍（キョンシー）となった存在です。彼女は「白骨の精」とも呼ばれています。

妖怪の能力

白骨夫人の特徴的な点は、その変化の術にあります。彼女は「解屍法」と呼ばれる特殊な術を使い、自己の偽の死体を残して魂だけを逃げることができる能力を持っています。この術を駆使して、彼女はさまざまな形に変身し、三蔵法師一行を欺こうと試みるのです。彼女はこの手法を二度使い、三蔵一行に襲いかかりましたが、三度目の挑戦で孫悟空に打ち倒される運命にあります。

エピソード

物語は、三蔵法師と彼の仲間たちが鎮元大仙の五荘観を出発し、険しい白虎嶺を通過する際に展開します。その間、食料を調達するためにチームから離れていた孫悟空が戻る前に、白骨夫人は18歳の美しい女性に変身し、一行の前に現れます。この妖怪は三蔵の肉を食べることで不老長寿を得られると聞いており、彼を狙うために接近します。

しかし、戻った孫悟空は彼女の正体を見抜き、彼女を一度打ち殺したかのようにふるまいます。その後、白骨夫人は解屍法を用いて逃げ去ります。食欲に苛立っていた猪八戒は悟空を非難しますが、悟空が女が持っていた籠の中身を見せると、ウジ虫と蛙がいっぱい入っていたため、妖怪の正体が明らかになります。

次に、白骨夫人は80歳の老婆に姿を変え、再度試みますが、悟空はすぐにその化け物であることに気がつき、再び彼女を打ち倒します。彼女は再び逃げるために偽の死体を残して去ります。

最後に、白骨夫人は老爺に変身し、再度三蔵法師を狙いますが、悟空は土地神と山神を呼び寄せ、その監視の元で彼女を打ち殺すことに成功します。残された本体は白骨で、背骨には「白骨夫人」と名付けられていました。

最後の誤解

しかし、白骨夫人を打ち倒したことにより、「悟空が一日に三人も殺した」と思った三蔵法師は、猪八戒に唆されたこともあり、悟空を破門してしまいます。この事態がきっかけで、悟空は花果山に帰ることになりますが後に、黄袍怪による襲撃があった際に、許されて再び天竺の旅に加わることになるのです。

このエピソードは、妖怪との戦いだけではなく、登場人物たちの信頼や誤解を描写しており、物語の中で様々なテーマを探求しています。

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