百団大戦

百団大戦について

百団大戦（ひゃくだんたいせん）は、日中戦争の渦中にあった1940年の夏から冬にかけて、中国の山西省および河北省周辺で展開された戦闘の名称です。中国共産党が指導する国民革命軍の部隊が日本陸軍に対抗すべく、初の大規模攻勢を実施しました。本作戦はその名の通り、約100の部隊が参戦したことに由来し、中国側からの呼称として広く認知されています。

背景

日中戦争が始まった当初、日本陸軍は華北を占領し、権力の空白を突いた共産党がその勢力を拡大していきました。特に、山西省での共産党の勢力拡大は目覚ましく、国民党軍が退避した後、八路軍が地盤を固めていきました。これを受けて、共産党は民兵組織の設立や独自の戦力の養成に力を入れていき、国民党の第97軍をほぼ完全に吸収しました。

企画と準備

1940年の春、共産党は国民党政権の動揺を背景に、戦意を高めるための攻勢計画を打ち出しました。八路軍総司令官の朱徳は、華北での日本軍掃討が可能であるとの報告を行い、アグレッシブな行動を呼びかけました。戦闘計画では、石太線や同蒲線などの主要鉄道を攻撃目標とし、これには延安と華北を結ぶ重要な路線も含まれていました。

参加兵力

百団大戦における戦力は双方で異なる記録がありますが、最大で中国八路軍が約40万人、日本軍と満州国軍で約34万人の兵力が動員されたとされています。この戦争は、数ヶ月にわたって激しい攻防を繰り広げられました。

戦闘の経過

1940年8月20日夜、八路軍は一斉攻撃を開始しました。最初の攻勢では、特に京漢線での攻撃が成功し、日本軍の守備隊に損害を与えました。また、以降も八路軍は各地の鉄道に対する攻撃を展開しました。しかし、日本軍は迅速に反撃し、戦闘は長期化します。

続いて9月22日、再び八路軍が総力を挙げた攻勢を展開し、独混第3旅団と交戦。在地の拠点が大きな損害を被る一方で、日本側も反撃を行い、10月にかけての戦闘が続くことになります。特に石太線方面では激しいやり取りがあったものの、八路軍は戦闘を回避しつつ、戦力を維持します。

しかしながら、日本軍からの第二期晋中作戦が展開され、共産党の抵抗勢力を削ぐ運動が強化されると、八路軍は厳しい状況に直面しました。日本軍は動員された部隊をもとに、共産党軍の根拠地を狙った掃討作戦を実施しました。

結果と評価

百団大戦は、両軍にとって多大な損害をもたらしました。日本軍は鉄道や通信設備に対し甚大な被害を受け、運営に支障が出る結果となりました。一方で、八路軍も戦死傷者を22000人以上も出し、自軍の戦力を大きく消耗することとなりました。

この作戦の結果、日本軍は共産党軍の戦闘能力を再評価せざるを得なくなり、以降、情報収集や掃討作戦を強化しました。共産党側としては、百団大戦が短期間であったものの、その結果をもとに戦闘力を誇示する契機となったと整形されましたが、戦略的な成功とは言えず、将来的に大きなダメージを受けることにも繋がりました。

百団大戦は、日本の軍事戦略の見直しと共産党の政治的立場の変化をもたらす重大な戦闘となったのです。

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