百度地図

百度地図（バイドゥマップ、中国語: 百度地图、英語: Baidu Maps）は、中国の大手検索エンジンである百度（バイドゥ）が運営する地図サービスです。ウェブサイトとモバイルアプリで利用でき、中国国内で広く利用されています。

概要
百度地図は、単なる地図表示だけでなく、レストランやホテル、公共施設などのスポット情報、バスや電車のルート検索、車のナビゲーション機能など、多岐にわたるサービスを提供しています。百度の担当者によると、これらの機能により、ユーザーは旅行や日常の移動をスムーズに行うことができるとのことです。

特に注目すべき点として、中国が領有権を主張する地域（台湾を含む）の詳細な地図情報が収録されている一方、中国国外の地図表示は簡略化されている点が挙げられます。また、南シナ海については、中国の国内法に基づき、中国の領土として表示されています。このため、他の地図サービスとは異なる表示になっている場合があります。

百度地図は、2005年にGoogleマップに対抗する形でサービスを開始しました。中国本土では、Googleが撤退したこともあり、百度地図がルート検索などで大きな需要を誇っています。現在では、デスクトップ版のほか、AndroidとiOSの両方のモバイルアプリも提供されており、多くのユーザーが利用しています。

沿革
百度地図は2005年9月にサービスを開始しました。2010年には、都市を3Dで表示する機能が追加され、よりリアルな地図体験ができるようになりました。さらに2013年には、街の風景を360度見渡せる「百度全景（ストリートビュー）」サービスを開始しました。

座標系
百度地図では、Webメルカトル図法という地図投影法が使用されています。また、独自の座標系であるBD-09が使用されており、これはGCJ-02という座標系をさらに難読化したものです。百度は、この独自の座標系を使用することで、ユーザーのプライバシーを保護できると主張しています。

百度地図のAPIを利用する場合、実際のGPS座標（WGS-84）をBD-09座標に変換する必要があります。この変換には、HTTPインターフェース、JavaScript API、Android SDK、iOS SDKが提供されています。ただし、初期のJavaScript APIのデモでは、逆変換（BD-09からGCJなど）の機能は提供されていませんでした。現在では、オープンソースで逆変換のアルゴリズムが公開されており、他の開発者が逆変換機能を利用することができます。

BD-09座標は、GCJ-02を基に、極座標変換とノイズ付加、デカルト座標への再変換、一定のオフセット付加という複雑な処理を経て生成されています。

百度地図は、中国国内での生活や旅行に欠かせないツールであり、その利便性から多くのユーザーに利用されています。地図の表示方法や座標系に独自の仕様がある点も特徴的です。

外部リンク
公式ウェブサイト （繁体字中国語）
百度地図 - 新浪微博（簡体字中国語）
百度地図 - Google Play
百度地图 - App Store

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