百火繚乱船

ラトゥラトゥ 1stフルアルバム『百火繚乱船』

『百火繚乱船』（ひゃっかりょうらんせん）は、日本の音楽ユニット、ラトゥラトゥが世に送り出した最初のフルアルバムです。2021年1月13日、UUUM Recordsよりリリースされました。彼らにとって初のフルアルバム作品であり、ファン待望のリリースとなりました。

リリース背景と仕様

このアルバムは、前作にあたる配信シングル『東京アップデート』からおよそ5ヶ月の時を経て発表されました。CD作品としては、それ以前のアルバム『万華鏡エタニティ』から数えて約1年ぶりの新作登場となります。

本作は異なる形態で提供されています。

通常盤: こちらはCDのみで、デジパック仕様が採用されています。
初回限定盤: 特製トールデジパック仕様となっており、特典として51ページにわたるスペシャルブックレットが付属しています。バンドの世界観をより深く知ることができる充実した内容となっています。

音楽性と収録曲

『百火繚乱船』は、ラトゥラトゥの音楽性が新たなフェーズへと進んだことを示す作品です。ユニットの中心メンバーであるマイキがボーカロイドプロデューサー（ボカロP）としても活動を開始した影響が色濃く反映されています。

特筆すべきは、一般的なロックバンドとは異なり、今作ではギターを一切使用していない点です。代わりに、ボーカロイド楽曲の制作で広く用いられる「打ち込み」を駆使して、ロックサウンドを構築しています。これにより、従来のロックの枠にとらわれない、独創的かつパワフルなサウンドが生まれています。このスタイルは、近年注目を集める「ボカロック」とも関連付けられる要素を含んでいます。

また、ラトゥラトゥが結成当初から得意とし、多くのリスナーを魅了してきた「和風ロック」の要素も健在です。和楽器を思わせる音色や、日本の伝統的な旋律を取り入れたフレーズが、アルバム全体に独特の色合いを与えています。

本作に収録されているのは、前述のようなボカロック的なアプローチと和風ロックが見事に融合した楽曲を含む、全13曲です。バラエティ豊かな楽曲群は、ラトゥラトゥの多面的な才能と、新たな音楽的可能性への挑戦を示しています。打ち込みによる硬質なサウンドと、感情豊かなメロディ、そして和のテイストが織りなす世界観は、リスナーに新鮮な驚きと感動をもたらします。

まとめ

『百火繚乱船』は、ラトゥラトゥの1stフルアルバムとして、彼らの音楽的なルーツと、ボカロPとしての経験から得た新たな表現方法が融合した、記念碑的作品と言えます。従来のロックサウンドにとどまらない実験的な試みと、バンドの持ち味である和の雰囲気が共存する本作は、ラトゥラトゥの進化を明確に示しており、彼らの今後の活動にも期待を抱かせるアルバムとなっています。

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