百里
飛行場は、
茨城県小美玉市に所在する、民間と
防衛省・航空
自衛隊が共用する空港です。民間部門は「茨城空港」、
自衛隊部門は「航空
自衛隊百里基地」として組織されています。空港の主
滑走路や
自衛隊施設の多くは百里
飛行場内に位置し、茨城空港のターミナルビルは隣接する与沢地区に設置されています。
沿革
百里
飛行場の歴史は
1937年に始まり、当初は海軍
飛行場として使用されました。
1945年の終戦後、戦後の土地開拓地としても利用されていました。その後、
1956年には航空
自衛隊の基地建設が計画され、
1966年には航空
自衛隊百里基地としての位置付けが決まりました。
1990年からは
在日米軍に新規提供され、日米地位
協定の適用を受けることとなります。
1993年、
茨城県と地元が百里基地の民間共用化についての要望を出し、
1995年にはその構想が発表されました。
1996年には民間利用実現に向けての協議会が設立され、その後の
2000年には民間共用化事業が進められました。
2008年には茨城空港の
旅客ターミナル建設が始まり、
2010年に正式に開港しました。
開港後の利用状況
初年度は国内線が
スカイマークの神戸線のみに留まり、利用者数は予想を下回っていましたが、年々利用者が増加。特に
2019年度には過去最多の80万人を超えました。他国からのチャーター便の増加が寄与しています。
2020年度には新型コロナウイルスの影響で利用者が減少しましたが、回復の兆しも続いています。
共用空港の位置づけ
百里
飛行場は
東京の羽田や成田以外の空港における航空自由化の一環として位置づけられており、特に
格安航空会社(LCC)向けの空港として期待されています。しかし、交通アクセスの不便さや周辺施設の不足から、開港時には「陸の孤島」とも言われたこともありました。それでも、無料
駐車場があり、自家用車利用者には一定の利便性を提供しています。
民間航空機と自衛隊の共存
百里
飛行場は民間機と航空
自衛隊が同時に利用するため、運航時間に一定のルールが設けられています。これは平滑な運営を確保しつつ、民間需要にも対応するための工夫です。しかし、今後の増便や利用促進に向けて、運航制限の緩和が求められています。2023年10月には新たなルールが導入され、より多くの航空機が着陸可能になりました。
社会的な反響と今後の展望
開港から10年以上経過した今、茨城空港は利用者数の増加や新しい路線の拡大を目指していますが、依然として知名度向上が課題です。愛称変更などの施策を通じて国内外での認知度を上げ、空港利用を促進する試みがなされています。
百里
飛行場は今後も
自衛隊基地との共存を図りつつ、地域の発展や国際交流に貢献していくことが期待されています。