皆川月華

皆川 月華について

皆川 月華（みながわ げっか）は、1892年6月14日に京都府京都市に生まれ、本名は秀一です。彼は、日本の染色家として著名であり、特に友禅染の技法に洋画の手法を融合させることで「染彩」と呼ばれる独自の技術を確立しました。また、京都祇園祭で使用される山鉾の装飾品、特に銅掛や前掛などを長年にわたって製作してきました。

来歴

皆川月華は、1911年に友禅染師の安田翠仙に弟子入りし、1917年には都路華香のもとで学びました。その後、関西美術院に進学し、洋画を専門に修学します。1927年には彼の作品「富貴霊獣文」が第8回帝展に初入選し、続く1932年には「山海図」が第13回帝展で特選受賞を果たします。これにより、さらなる活動の場が広がりました。

以後、彼は天然染料や古代染色技法の研究にも取り組み、創作活動を続けました。1956年からは京都府の嘱託として海外の美術工芸を調査するため、アメリカ各地を巡る旅に出ます。この経験は彼の作品にも大きな影響を与えました。

1960年に出品した作品「濤」は1961年に日本芸術院賞を受賞し、その名声を確立。1971年以降は日展に参加し、日展参与や参事を歴任しました。

1983年には、染繊工芸家として京都府文化賞特別功労賞を受け、1984年には日本現代染織造形協会の会長に就任。また、日本現代工芸美術家協会や日本きもの染織工芸会の理事長など、数多くの役職も務めました。

皆川は、1987年5月11日に94歳で亡くなるまで、染色芸術の分野において多大な影響を与えた人物でした。

代表作

皆川月華は多数の著作を残しています。以下は彼の代表的な作品集です：

• - 『月華作品集』芸艸堂、1921年
• - 『染彩皆川月華作品集』光琳社出版、1973年
• - 『染芸皆川月華』京都書院、1979年
• - 『染彩天井画集』京都書院、1975年
• - 皆川月華著、朝日新聞社編『皆川月華展図録～卒寿記念染彩』朝日新聞社、1982年

皆川月華の作品は、その独特な技法と美しさで日本の染色文化に新たな風を吹き込みました。彼の業績は後の世代にも大きな影響を与え続けています。

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