皆楽座

皆楽座（かいらくざ）

岐阜県各務原市鵜沼羽場町1-216に位置する皆楽座は、地域文化活動の重要な拠点であり、農村歌舞伎舞台として利用されています。この建物は、津島神社の境内にあり、中山道鵜沼宿の近くに位置しています。市民たちの文化活動の促進と地域の交流の場として、ミニコンサートやサークル活動など、さまざまなイベントに利用されています。

歴史

皆楽座の初代の建物は1882年（明治15年）に完成しましたが、1891年（明治24年）に発生した濃尾地震により倒壊しました。その後、1898年（明治31年）に建設された2代目の皆楽座は、落雷で倒壊した初代の建物の資材を再利用して建てられました。このように、皆楽座は地域の歴史にしっかりと根付いた建物です。

2006年（平成18年）には、文化財としての価値が評価され、3月27日に登録有形文化財に登録されました。また、同年の5月1日には各務原市の指定有形民俗文化財にも認定されています。

建築の特徴

皆楽座は、切妻造りの桟瓦葺きの建物として設計されており、桁行が15m、梁間が10mのサイズを持っています。建築面積は168m²、延床面積は217.88m²です。この建物は津島神社の拝殿も兼ねており、客席となる桟敷席は存在しませんが、農村歌舞伎舞台としての機能を十分に果たしています。舞台は155.13m²、奈落は54.19m²の広さを誇り、廻り舞台や囃子座仮、楽屋といった伝統的な設備を備えています。

利用案内

皆楽座の開館時間は午前9時から午後9時までで、休館日は毎年12月29日から1月3日までの期間です。利用を希望する際は、事前に鵜沼福祉センターの窓口での申し込みが必要です。このため、訪問の際にはあらかじめ計画を立てることが推奨されます。

交通アクセス

アクセスは非常に便利で、名鉄各務原線の羽場駅から徒歩約7分、また各務原市ふれあいバスの鵜沼線や東西線の「鵜沼市民サービスセンター」バス停から徒歩約3分の距離にあります。周辺には、鵜沼市民サービスセンターや鵜沼福祉センター、幼稚園などの関連施設も点在しています。

岐阜県における芝居小屋

岐阜県は地芝居が盛んな地域として知られ、江戸時代から昭和時代にかけて多くの芝居小屋や農村歌舞伎舞台が構築されました。皆楽座もその一部であり、他にも鳳凰座（下呂市）、白雲座（下呂市）や黒川の東座（加茂郡白川町）など、県内には多くの伝統的な舞台があります。これらの施設は、地域文化の継承と発展に寄与しているのです。

皆楽座は、ただの建物ではなく、地域の文化と歴史が息づく大切な拠点として、多くの人々に利用されています。

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