皿

皿の概要

皿（さら）は、料理を盛り付けるために最も基本的で広く使われる容器の一つです。浅くて平たい形状を持ち、上部が広く開いていることが特徴です。皿の形状は様々で、一般的には円形が多く見られますが、四角形や長方形など、他の形状の皿も存在します。また、周囲が上に反り上がっているため、料理を安定して盛り付けることが可能です。

皿は通常、汁気が少ない料理用の浅い形状や、汁気の多い料理に対応するための深めのものがあります。特にスープ用にはスープ皿という特化した皿も存在します。また、お椀も特別な皿の一種と見なすことができます。

食器としての皿は、使うシーンによって大小異なる種類が存在し、主に「盛り皿」と呼ばれる大皿と、自分の食事を取るために使う「取り皿」、さらに調味料や薬味を入れるための小皿（醤油皿や薬味皿など）に分類されます。また、西洋料理では、客人の間にテーブルセッティングを施すための「位置皿」が使用されます。客の席を示すための道具としても重要です。さらに、装飾的な役割を果たす「絵皿」と呼ばれるデザイン皿もあり、高級品は観賞用に使われることがあります。

材質

皿の材質は多様で、伝統的には陶器や磁器が使用される一方、木製やガラス製、プラスチック、金属など、あらゆる素材から作られています。特に使い捨ての皿には、発泡スチロール製や紙皿が一般的です。

皿による料理の単位

料理を皿に盛ることを指して「皿」と呼ぶこともあります。また、食べ物の品数を数える際にも「皿」という単位が使われることがあります。

その他の用途と名称

皿という名称は、食器だけでなく様々なものにも使われます。例えば、はかりの皿や膝蓋骨を指して「膝の皿」と呼ぶこともあります。レコード盤やCD、DVDといった円盤型の記録媒体も「皿」と表現され、これらを「皿に入れる」「皿を焼く」といった言い回しで扱うことがあります。

中世ヨーロッパでは、硬くなったパンを皿のように削って作った「トレンチャー」が使われており、その形状が皿の発展に繋がりました。砂金採取の際に利用される「パンニング皿」も、特定の機能を持つ皿の例です。実験器具としての「時計皿」や「蒸発皿」、寒天培地を入れる「ペトリ皿」など、科学的な用途にも広がりを見せています。

植木鉢の受け皿を指して「鉢受皿」と呼ぶこともありますし、塗料を盛り付けるための「塗料皿」、煙草の灰を受けるための「灰皿」も一般的な道具です。そのほか、地名に「皿」が関連している場合も少なくありません。

文化における皿

文化的な側面では、皿に纏わる伝説や遊びが数多く存在します。例えば、河童の頭には皿があるとされ、その皿が乾くと死ぬという言い伝えや、皿を回す「皿回し」という芸、フリスビーのように皿を投げる遊びなどがよく知られています。日本では、厄落としの儀式として知られる「かわらけ投げ」という遊びもあります。

このように、皿は食文化だけでなく、様々な領域において重要な役割を果たしています。

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