益田孫槌

益田孫槌：長州藩を支えた重臣の生涯

益田孫槌（ますだ まごつち）は、生没年不詳ながら、江戸時代末期から明治時代初期にかけて長州藩で重要な役割を担った人物です。寄組問田益田家の8代目として、激動の時代を駆け抜けました。

生い立ちと藩政への関与

益田孫槌は、長州藩の重臣である益田元固の嫡男として生まれました。父の地位を継ぎ、藩主である毛利慶親（敬親）の側近として仕え、藩政の中枢で活躍しました。その才覚は藩主からも信頼され、重要な政策決定に関与していたと推測されます。

功山寺挙兵と益田孫槌

元治元年（1864年）、高杉晋作が功山寺で挙兵した際、三条西季知・四条隆謌の両卿が諸隊に同行し、伊佐から萩へ向かおうとしていました。しかし、幕府の監察使が萩に来ていたため、諸隊が両卿の護衛として萩城下に入ることは、幕府との戦いを引き起こしかねない状況でした。そこで、藩主敬親の名代として益田孫槌は、両卿の萩への入城を拒否しました。これは、両卿の安全を考慮した上での決断であり、益田孫槌の冷静な判断力を示す出来事でした。

第二次長州征討での活躍

慶応2年（1866年）に勃発した第二次長州征討では、益田孫槌は芸州口で幕府軍と戦いました。この戦いにおける具体的な役割や功績は詳細には残っていませんが、長州藩の勝利に貢献したことは疑いありません。益田孫槌は、武将としても優れた能力を持っていたと考えられます。

問田益田家の家臣団

明治3年（1870年）の廃藩直前、問田益田家の家臣団は、家老3家、家士上等14家、家士中等12家、家士下等57家、小組30家の合計116家からなる大所帯でした。このことからも、益田孫槌が率いた家臣団がいかに大きく、長州藩内で重要な位置を占めていたかが分かります。


益田孫槌は、激動の時代に長州藩を支えた重要な人物の一人です。藩主の側近として藩政に深く関わり、重要な局面でその才能を発揮しました。彼の生涯は、幕末維新期の長州藩を理解する上で欠かせないものと言えるでしょう。

参考文献

『益田孫槌一手芸州友田口戦争日記』（山口文書館）
『益田孫槌家来給禄帳』（山口文書館）

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