益田元固

益田元固

益田元固（ますだ もとかた）は、文化8年（1811年）に生まれ、明治8年（1875年）に没した、江戸時代末期の長州藩の重臣です。寄組問田益田家の7代目当主であり、父は益田親愛、母は毛利就貞の娘です。妻は毛利就任の娘と山内就資の娘で、子には益田孫槌、三吉周亮、口羽良介などがいます。また、兄弟には毛利房謙室、毛利房顕室、毛利房嘉室がいます。

生涯

元固は、長州藩第11代藩主・毛利斉元より偏諱を受け「元固」と名乗りました。初名には「兼将」が伝わっています。通称は伊豆、七内で、「益田伊豆」や「益田七内」とも呼ばれ、号は幽岳です。

教育への貢献

天保2年（1831年）には、領地である周防国吉敷郡問田に、陪臣や庶民のための郷校「学習斎」を設立しました。この学習斎の設立は、藩内の教育水準の向上に大きく貢献しました。

藩政への関与

嘉永3年（1850年）には老中（家老）に就任し、藩政に携わりました。嘉永6年（1853年）には江戸留守居役となり、藩主・毛利慶親に従い江戸と国元を往来しました。安政元年（1854年）には江戸へ行き、翌年には藩世子・毛利広封の附役を兼務しました。文久元年（1861年）には大頭役となりましたが、病のため辞職しました。文久3年（1864年）には出府を命ぜられ、京摂に滞在して情勢を視察しました。

幕末の動乱

慶応2年（1866年）の第二次長州征討では、芸州口で幕府軍と戦いました。この戦いにおいて、元固は長州藩の勝利に貢献しました。

明治維新後

明治3年（1870年）の廃藩直前には、問田益田家の陪臣の家臣団は、家老3家、家士上等14家、家士中等12家、家士下等57家、小組30家の計116家が存在していました。明治維新後は、萩玉江の別邸に隠退し、明治8年（1875年）に65歳で亡くなりました。

子孫

長府藩次席家老で、明治維新後に新川県参事、鳥取県県令などを務めた三吉周亮は、元固の実子（四男）です。三吉周亮は、明治政府において地方行政に貢献しました。

まとめ

益田元固は、長州藩の重臣として藩政に尽力する一方で、教育にも熱心であり、幕末の動乱期には藩のために戦いました。その生涯は、激動の時代を生きた武士の姿を今に伝えています。

参考文献

吉田祥朔 著 『増補 近世防長人名辞典』（マツノ書店 1976年）
田村哲夫 著 『近世防長諸家系図綜覧』（マツノ書店 1980年）
石川卓美 著 『防長歴史用語辞典』（マツノ書店 1986年）
『益田孫槌家来給禄帳』（山口県文書館）
* 日本歴史学会 編 『明治維新人名辞典』 (吉川弘文館 1981年)

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