盗人講座

『盗人講座』は、w-n氏によって制作されたRPGツクール2000製のロールプレイングゲームです。2001年のインターネットコンテストパークで金賞を受賞し、エンターブレインゲームコンテストでも入賞を果たすなど、高い評価を受けています。また、FREE GAME AWARDS 2003でも読者投票により入賞を果たしました。

物語は、ドナパルト王国の王子レットーが主人公です。彼は盗賊になることを夢見ており、王国が滅亡したことを機に、家臣アーサと共に盗賊の街ミストを訪れます。そこで、彼はトレド・ナッパルパと名乗り、盗賊になるための講座を受けることになります。しかし、平和だった街も帝国の脅威に晒されることになります。

プレイヤーは、ゲームに登場するキャラクターに対してスリを試みることができます。成功すればアイテムやお金を入手できますが、スリを試みられる回数はキャラクターごとに制限されています。作者のw-n氏は、戦闘や広大なマップをあえて排除し、ロールプレイングゲームの面白さである探索要素に焦点を当てたと述べています。システムやシナリオについては、どのような形にするか、どこまで見せるかという「さじ加減」を楽しみながら制作したとのことです。

2004年には中国語（繁体字）版が公開され、中国の新聞でも紹介されました。作者の公式サイトでは、かつてコンテストパークへのリンクが貼られていましたが、サイト閉鎖に伴い、作者自身もゲームデータを消失してしまいました。しかし、有志の記事を参考にデータの発掘に成功し、2021年にゲームアツマールで再公開されました。しかし、同サービスも2023年に終了し、現在は他の手段での再公開はされていません。

エンターブレインゲームコンテストでは、ドラマ性とストーリーテリングの高さが評価されました。一方で、街の魅力に対してゲーム的なボリュームが物足りないという指摘もありました。ふりーむの記事では、RPGとして見ると戦闘が少なく短編であるものの、それを補うだけのストーリーとシステムがあると評されています。また、多くのイベントがあるため、キャラクターが生き生きとしているとも評されています。

『フリーゲームマニアックス』では、心に響くドラマチックロールプレイングとして紹介され、『Yahoo!BB ブロ番ガイド』では、小さな町に多くの住人やイベントを凝縮した作品として評価されています。その他にも、『ダウンロード激ネタ得盛り4.7ギガ』、『遊べるゲーム フリー＆シェアソフト厳選160』など、多数のメディアで紹介され、「心に残る名作RPG」や「物語性やキャラクター性が高い作品」として評価されています。

ツクールwebのコーナー「名作図書館」では、一度プレイしただけでは全てのイベントをこなせないほどのボリュームがあり、ミストの住人たちも個性豊かだと評されています。遊べば遊ぶほどキャラクターへの愛着が湧いてくるとも言われています。もぐらゲームスでは、「アイテム収集が楽しい！おすすめフリーゲームRPG10選」において、「RPGツクール2000初期の作品として決して外せない不朽の名作」として紹介されています。

このように、『盗人講座』は、その独特なゲームシステムと魅力的なストーリー、キャラクターにより、多くのユーザーから愛された作品と言えるでしょう。

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