盛岡ガス

盛岡ガス株式会社

盛岡ガス株式会社は、岩手県盛岡市に本社を置く、地域に根差した一般ガス事業者です。盛岡市および滝沢市の一部、約5万世帯に向けて都市ガスを供給しています。加えて、盛岡市、滝沢市、矢巾町、紫波町においては、簡易ガス事業も展開しています。

事業概要

2009年の販売量実績は17,244千m²。内訳は家庭用が49%、商業用が42%、その他が9%となっています。地域社会の生活と経済活動を支えるエネルギー供給を担っています。

特に、滝沢市にある滝沢工場のガスホルダーは、全面にスイカ柄が塗装されており、そのユニークな外観で広く知られています。地域のランドマークとしても親しまれており、盛岡ガスの親しみやすさを象徴する存在と言えるでしょう。

沿革

盛岡市では、1904年に盛岡電気会社が設立されて以来、電灯が普及し、ガス灯は普及しませんでした。明治末期に東北地方の他都市でガス会社が設立される中、岩手県と青森県はガス事業で後れを取る形となりました。盛岡市は市営でのガス事業を計画しましたが、事業計画の甘さなどから実現には至らず、盛岡電気と南部土地という有力企業2社による民営ガス会社設立の動きが起こりました。

1930年5月7日、一戸三矢氏を社長として「盛岡瓦斯株式会社」が設立され、同年12月には1,050戸への供給を開始しました。しかし、設立直後に昭和恐慌や薪炭価格の暴落に見舞われ、1931年下半期には供給戸数が1,000戸を割り込む事態となりました。

1945年8月10日、盛岡空襲により壊滅的な被害を受け、ガス供給は停止。1年3ヶ月後の1946年11月に供給を再開しました。戦後の復興とともに事業を拡大し、1962年には石炭ガスからナフサを原料とするガスへの転換を果たしました。

1969年9月には、供給戸数が1万戸を突破。地域社会の発展とともに成長を続け、1990年3月には、社名を現在の「盛岡ガス株式会社」に改めました。

1999年5月から2001年9月にかけては、熱量変更作業を実施し、供給ガス種をプロパンを原料とした「P13A」に変更。さらに、2015年5月には、原料をプロパンから天然ガスに転換し、ガス種も「P13A」から「13A」に変更しました。より環境負荷の少ない天然ガスへの転換は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環です。

参考情報

『炎の産業「都市ガス」 -進化するクリーンエネルギーのすべて』山口正康著 2009年 エネルギーフォーラム ISBN 978-4-88555-363-9
盛岡ガス株式会社 公式サイト)

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