監査役野崎修平

『監査役 野崎修平』について

概要

『監査役 野崎修平（かんさやく のざき しゅうへい）は、日本の経済漫画であり、周良貨が原作、能田茂が作画を手掛けました。1998年から2003年まで、まずは『MANGAオールマン』（集英社）で連載され、続いて『ビジネスジャンプ』にて続編が引き継がれました。

この作品は、主に「あおぞら銀行」という大手都市銀行を舞台に、銀行内の不正や経営問題と奮闘する主人公、野崎修平の物語を描いています。特に、監査役という職業にスポットを当てた点が特徴的で、連載当時からの社会問題である企業のコンプライアンスについても先取りした内容が人気を博しました。

物語の進行中、金融業界はバブル崩壊に伴い大きな変化を迎え、不良債権問題や銀行合併などが生じ、作品後期にはそれらの問題が物語の中心となっていきます。この変化を背景に、銀行大合併編では、実際の銀行合併であるみずほ銀行の合併をモチーフにしたドラマも展開しました。

また、2017年からは地方銀行を舞台にした新シリーズ『新・監査役野崎修平』がスタートし、2018年には織田裕二主演でテレビドラマ化もされています。また、韓国では『ザ・バンカー』としてリメイク作品が放送されるなど、国際的にもその人気は広がっています。

物語

監査役野崎修平

主人公の野崎修平は、あおぞら銀行の地蔵通り支店の店長でしたが、支店の統廃合に伴う異動により本店の監査役として栄転します。しかし、実際には形骸化された部署であり、他の行員からはその職務に誇りを持つ者は少なかったのです。1990年代末の金融ビッグバンの真っ最中、野崎は不正問題を目の当たりにし、秘書と共に問題を一つ一つ暴き出していきます。

頭取野崎修平

続編では、あおぞら銀行が国有化された後、野崎はその頭取になるという経歴をたどります。再建請負人として数々の企業の再生に携わってきた経験を活かし、銀行を「真のお客様のための銀行」として再構築しようと努力します。しかし、銀行内には国有化による疲弊や、かつての大手時代の名残を求める声もあり、苦労のなかで徐々に支持者を得ていきます。

登場人物

### 野崎修平
　　主人公で、監査役として銀行内の不正に立ち向かう姿が描かれます。彼の理念や姿勢が、他の登場人物との関係や物語の展開に深く影響します。

### 京極雅彦
　　あおぞら銀行の頭取で、時に傲慢で独裁的な性格を持ちながら、若返りや改革の必要性を感じ取っています。

### 武田真吾
　　銀行関連会社の社長として、野崎と共に行動し、さまざまな困難に挑む姿をみせる重要なキャラクターです。

### 立川祥子
　　あおぞら銀行初の女性支店長であり、野崎を利用しながら出世を目指す野心家として描かれています。

その他のキャスト

物語には多彩なキャラクターが登場し、彼らとの関係が銀行の明暗を分けるキー要素となっています。

まとめ

『監査役 野崎修平』は、単なる経済漫画ではなく、社会的問題や銀行業界の内情を深く掘り下げた作品となっています。バブル崩壊後の金融業界の変わりつつある姿を描きながらも、野崎修平という一人の男がどう立ち向かうのかという人間ドラマは、多くの読者の共感を得ました。この物語は、令和においてもなお様々な形で語られ続けていくでしょう。

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