目 (現代芸術活動チーム)

現代美術チーム「目[mé]」

「目[mé]」（め）は、現代美術家の荒神明香と表現活動集団wah document（南川憲二＋増井宏文）によって2012年に結成された日本の現代芸術活動チームです。チーム名は、荒神が現象を人の網膜に残すという意味で「肉眼に届ける」という言葉をよく使っていたこと、そしてwah documentがアイデアから作品が実現する瞬間を参加者と共に“目の当たり”にすることをテーマに活動してきたことが由来となっています。共通のキーワードとして「目」が浮かび上がったことから、このチーム名が採用されました。

主な活動と作品の特徴

「目」の作品は、主にインスタレーションの形態をとっており、その多くが観客の体験を重視した体感型であることが特徴です。彼らの作品は、既存の概念にとらわれない独創的なアイデアと、それを実現するための高度な技術によって、観る者に強い印象を与えます。

特に、2014年に資生堂ギャラリーで開催された個展『たよりない現実、この世界の在りか』では、ホテルを模した展示空間が大きな話題を呼び、長蛇の列ができるほどの人気を集めました。この展示は、日常的な空間を非日常的な体験に変える「目」の作品の特徴を象徴するものであり、多くの人々を魅了しました。

国内外の芸術祭への参加

「目」は、国内外の様々な芸術祭にも積極的に参加しており、その活動は広く知られています。主な参加実績としては、瀬戸内国際芸術祭（2013年）、宇都宮美術館屋外プロジェクト『おじさんの顔が空に浮かぶ日』(2013-14)、越後妻有トリエンナーレ（2015年）、北アルプス国際芸術祭（2017年）などが挙げられます。これらの芸術祭では、それぞれの土地の特性や歴史を考慮した作品を展開し、地域の人々との交流も深めています。

その他の活動

展覧会や芸術祭への参加以外にも、「目」は様々な分野で活動を展開しています。テレビ番組のスタジオセット制作や舞台美術制作、イベントでのDJパフォーマンス、映像作品の発表など、その活動は多岐にわたります。

代表的な作品

以下に、「目」が発表してきた代表的な作品をまとめます。

展覧会で発表された作品

2012年 - 『サイトスペシフィックナイトサファリ』／墨田川「すみだ川アートプロジェクト」
2013年 - 『FICTIONAL SCAPER』／象の鼻テラス
2013年 - 『おじさんの顔が空に浮かぶ日』／宇都宮美術館「宇都宮美術館館外プロジェクト2013 」
2014年 - 個展『状況の配列』／三菱地所アルティアム
2014年 - 個展『たよりない現実、この世界の在りか』／資生堂ギャラリー
2014年 - 『おじさんの顔が空に浮かぶ日』／宇都宮美術館「宇都宮美術館館外プロジェクト 2014」
2015年 - 『REPLICATIONAL SCAPER』／水戸芸術館「カフェ・イン・水戸R」展
2015年 - 『TOKYO MOMENT』／東京都現代美術館「東京アートミーティングⅥ“TOKYO”見えない都市を見せる」展
2019年 - 『目【mé】　非常にはっきりと わからない」』／千葉市美術館

国際芸術祭で発表された作品

2013年 - 『迷路のまち～変幻自在の路地空間～』／小豆島「瀬戸内国際芸術祭2013」
2014年 - 『世界に溶ける：リサーチドキュメント』／象の鼻テラス「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014」
2015年 - 『見立線』／大分市街「大分トイレンナーレ2015」
2015年 - 『憶測の成立』／新潟県十日町市街「越後妻有 大地の芸術祭2015」
2017年 - 『信濃大町実景舎』／長野県信濃大町市「北アルプス国際芸術祭2017」

チーム「目[mé]」の今後の展望

「目」は、既存の美術の枠にとらわれず、常に新しい表現方法を模索し続けています。彼らの作品は、視覚的な驚きだけでなく、観る者の認識や思考を揺さぶる力を持っています。今後も、様々な場所で、多くの人々を魅了する作品が生み出されることが期待されます。

「目」の活動は、現代美術の可能性を広げ、新たな視点を提供し続けていると言えるでしょう。彼らの今後の活躍から目が離せません。

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