荒神明香

荒神明香（こうじん はるか、1983年生まれ）は、日本の現代美術家であり、その作品は国内外の多くの美術館で展示されています。彼女の作品は、幼少期からの自然や地形、空間に対する深い関心と、それらが自身の感覚に与えた影響を再現しようとする試みから生まれています。

荒神の作品は、単なる視覚的な美しさだけでなく、鑑賞者の知覚や空間認識に働きかけるような、独特の体験を提供します。たとえば、代表作である『reflectow』（2006年）では、造花の花びらを精巧に貼り合わせ、空間に浮かぶようなインスタレーションを創り出しています。また、『contactlens』（2011年）では、アクリルレンズを繋ぎ合わせ、まるで空間を仕切るかのような構造物を出現させ、鑑賞者の知覚を揺さぶります。これらの作品は、日常的な素材を用いながら、それらが持つ可能性を最大限に引き出し、見る者の想像力を掻き立てます。

さらに、荒神は2012年から現代芸術活動チーム「目【め】」をwah documentと共に始動させ、アーティストとして主に企画を担当しています。「目」の活動は、個人の作家活動とは異なる、より集団的な視点での作品制作やプロジェクトの展開を試みるもので、現代美術の新たな可能性を追求しています。

略歴

1983年 - 広島県に生まれる。
2007年 - 東京藝術大学先端芸術表現科を卒業。
2007年 - アーティストとして作品発表を開始。
2009年 - 東京藝術大学先端芸術表現科修士課程を修了。
2012年 - 現代芸術活動チーム「目」を結成。

主な展覧会

2007年 - 「Space for your future」 東京都現代美術館（東京）
2007年 - 「ART AWARD TOKYO」 行幸地下ギャラリー（東京）
2008年 - 「広島アートプロジェクト2008 汽水域」 旧日本銀行広島支店（広島）
2008年 - 「眼差しと好奇心」 soka art center（台湾）
2008年 - 「ライフがフォームになるとき」 サンパウロ近代美術館（ブラジル）
2008年 - 「MOTコレクション」展 東京都現代美術館（東京）
2009年 - 「ART IN THE SKY」 新丸の内ビルディング（東京）
2009年 - 「透明なかたち」 オカムラデザインスペースR（東京）（妹島和世氏、佐々木陸朗氏とのコラボレーション）
2010年 - 「離陸として」 sedona代官山（東京）
2010年 - 「Trans-Cool TOKYO Contemporary Japanese Art from MOT Collection」 シンガポール美術館・バンコク芸術センター（シンガポール・タイ）
2010年 - 「Ecologica」 サンパウロ近代美術館（ブラジル）
2010年 - 「知覚の扉 II」 喜楽亭（愛知）
2010年 - 「Beyond the Wall – アートで、超える。」 秋吉台国際芸術村（山口）
2010年 - 「はないばら」 旧神谷伝兵衛別荘（千葉）
2011年 - 「建築、アートがつくりだす新しい環境—これからの“感じ”」 東京都現代美術館（東京）
2011年 - 「ニューアート展NEXT『Sparkling Days』」 横浜市民ギャラリー（神奈川）
2011年 - 「Bye Bye Kitty!!! Between Heaven and Hell in Contemporary Japanese Art」 ジャパン・ソサエティ・ギャラリー（アメリカ）
2012年 - 「呼吸する環礁―モルディブ-日本現代美術展」 モルディブ国立美術館（モルディブ）
2014年 - 「COSMIC GIRLS」展 丸の内ハウス（東京）

国際芸術祭

2013年 - 瀬戸内国際芸術祭

受賞歴

2006年 - 東京藝術大学 平山郁夫奨学金 受給
2008年 - 2007年度卒業制作買い上げ賞
2008年 - 「Art Award tokyo」グランプリ受賞

荒神明香は、自然や空間に対する深い洞察力と、それを表現するための繊細な技術を持つ現代美術家です。彼女の作品は、見る人に新たな視点を与え、日常的な体験を再考するきっかけとなるでしょう。

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