直子センセの診察日記

『直子センセの診察日記』

『直子センセの診察日記』（なおこセンセのしんさつにっき）は、1999年3月30日から同年5月28日にかけて、TBS系列の昼ドラ放送枠である『ドラマ30』で放送された日本のテレビドラマです。手掛けたのは中部日本放送（CBC）で、全44話構成でした。

物語の骨子

本作は、都市部から離れた離島の診療所に派遣された一人の若い女性医師が主人公です。彼女が島での暮らしや、そこに暮らす個性豊かな住民たちとの触れ合いを経て、医師として、そして一人の人間として次第に成長していく姿を、ハートフルに描いています。

制作背景とエピソード

CBCが『ドラマ30』枠で制作したドラマとしては、それまで東京支社主導での制作が続いていましたが、本作は1993年放送の『とびっきり、青春』以来、実に6年ぶりに名古屋本社が中心となって手掛けた作品となりました。また、先行して放送されていた前番組『しおり伝説〜スター誕生〜』で発生した放送上の問題を受け、本作の放送回数は当初計画されていたものから1回分削減され、全44回での放送となったという経緯があります。主人公・佐々木直子を演じた大寶智子は、後に同じ『ドラマ30』枠で放送された『熱血ニセ家族』（2007年10月〜12月）にも、同名の外科医師役でゲスト出演しています。

あらすじ

物語は、医師としての研修期間を終えたばかりの若手女医、佐々木直子から始まります。彼女は、大規模な総合病院の院長を務め、医師会でも重鎮とされる父・幸之助に反発心を抱いていました。そんな中、直子は自身が尊敬する教授・城之内由子から、愛知県の三河湾に浮かぶ、人口が400人に満たない小さな離島、佐久島にある診療所への赴任を命じられます。結婚してまだ3ヶ月という夫・克彦と離ればなれになり、直子は不安を抱きながらも島へと向かうのでした。しかし、島での生活は都会とは全く異なり、島の住民たちからはなかなか医師として受け入れてもらえないという厳しい現実に直面します。

登場人物と配役

主要な登場人物とキャストは以下の通りです。

佐々木直子：大寶智子
主人公の新人女医。26歳。新婚ながら夫と離れて島へ赴任。島の住民になかなか馴染めない。
佐々木克彦：西川忠志
直子の夫。新婚早々、妻と離れて暮らすことになる。
奥津文子：高林由紀子
直子の母。
小畑教子：水木薫
島の診療所の看護部長。
水島牡丹：つぐみ
島の診療所の看護師。流行に敏感な今どきの若いタイプ。
井上さやか：三輪明日美
島に暮らす少女。どこか心に壁を作っている。
古賀謙作：織本順吉
都会から移住してきた人物。経験の浅い直子を医師として信頼していない。
城之内由子：大森暁美
直子の恩師。直子に佐久島への赴任を命じる。
奥津幸之助：勝野洋
直子の父。大手総合病院の院長で、医師会の重鎮。

スタッフ

このドラマの制作に関わった主なスタッフは以下の通りです。

脚本：高田純、日野敏幸
演出：山本恵三、小森耕太郎、佐藤和成
プロデューサー：山本恵三、小澤俊夫
制作協力：KAZUMO
* 製作：中部日本放送

主題歌

本作の主題歌には、小内聖子が歌う「春の風が吹いたら」が使用されました。


都会から来た若き女医が、離島という異文化の中で奮闘し、人間的な交流を通じて成長していく姿を描いたヒューマンドラマとして、『ドラマ30』枠の中でも記憶される一作です。

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