相楽総三

相楽総三の生涯と活動

相楽総三（さがら そうぞう、1839年 - 1868年）は、幕末の尊皇攘夷派の志士であり、赤報隊の隊長として特に知られています。江戸に生まれ、家族事情から家督を継ぐことになり、国学や兵学を学んだ後、私塾を開くなど教育活動に従事しました。しかし、志士としての道を選び、多くの同志と共に尊王攘夷活動に身体を投じました。

早期の活動

文久元年の1861年、23歳で尊王攘夷活動を本格化させ、関東各地で同志たちを募りました。資金調達を行いながら、桃井可堂が率いる天朝組の挙兵を支援したものの失敗し、1864年には天狗党の乱にも参戦しましたが、これも成果を上げることはできませんでした。

乾退助との関係

1867年、相楽は土佐藩士・乾退助の助けを得て、江戸に潜伏します。乾は当時、土佐藩邸の責任者となっており、相楽は彼の庇護を受けることになります。この時期、土佐藩と薩摩藩の間で結ばれた密約により、相楽と仲間たちの身柄が薩摩藩へ移されることになりました。

薩摩藩との連携

相楽は西郷隆盛や大久保利通と連携し、江戸周辺での倒幕運動に参加します。しかし、1868年に発布された討幕の密勅による機会を得るものの、政局は変化し、討幕派は大義名分を失ってしまいます。西郷は幕府を挑発し、相楽たちも江戸での動乱を引き起こしますが、幕府の反撃を招く結果となります。

戊辰戦争の勃発と行動

戊辰戦争が始まると、相楽は赤報隊を結成し、各地での戦闘に参加しますが、指示に反して独断行動を続け、最終的には軍令違反として捕縛されることになります。彼は下諏訪で捕まり、同年3月に斬首されました。享年30。

名誉回復への道

相楽の死後、彼の妻は追い詰められ、相楽の名誉も長らく損なわれたままでしたが、彼の孫の努力により名誉は回復され、明治3年には相楽塚が建立されました。昭和3年には正五位を贈られ、のちに靖国神社に合祀されることとなりました。

影響と文化的評価

相楽総三は、幕末の激動のさなか、さまざまな形で活躍した人物であり、その波乱に満ちた生涯は後世の文学作品やドラマで取り上げられることが多く、現代においても多くの人々に影響を与えています。彼の生き様は、キャラクターたちへの表現や物語のインスピレーションとなっています。特に、脚本家の三谷幸喜は彼を題材に劇を考えたが、地味であると却下されたと言います。

相楽総三の存在は、尊皇攘夷運動や幕末の志士たちの生き様を知る上で欠かせない要素であり、彼の功績の裏には多くの歴史的な背景と複雑な感情が交錯しています。

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