相澤冬樹

相澤冬樹：ジャーナリズムの最前線で闘う人物

相澤冬樹氏は、1962年生まれの日本のジャーナリストです。NHK記者、大阪日日新聞論説委員という経歴を持ち、特に森友学園問題のスクープ報道で広く知られています。彼のジャーナリストとしての歩みと、その報道活動が社会に与えた影響について深く掘り下げていきます。

生い立ちとキャリア

宮崎県宮崎市出身の相澤氏は、カトリック信者の両親のもとで育ち、幼少期に洗礼を受けました。宮崎市立大宮小学校、ラ・サール中学校、ラ・サール高等学校を経て、1987年に東京大学法学部を卒業。同年、NHKに入局し、記者としてのキャリアをスタートさせました。

山口放送局、神戸放送局、東京報道局社会部で記者として経験を積み、徳島放送局ではニュースデスク、大阪放送局では大阪府警察記者クラブのキャップや『NHK BSニュース』の制作担当などを歴任しました。2012年にはNHK大阪放送局報道部に着任し、2016年からは大阪司法記者クラブのキャップとして活躍しました。

森友学園問題とスクープ報道

相澤氏の名を広く知らしめたのは、2017年に発覚した森友学園問題に関する報道です。豊中市議会議員の木村真氏が国有地売却に関する情報公開を求めた記者会見を取材した際、相澤氏は当初、安倍昭恵氏が名誉校長を務める小学校建設との関連性に注目した原稿を作成しましたが、デスクによって修正されました。

その後、財務省が売却価格に関する協議記録を「廃棄した」とする中で、相澤氏は独自に情報を入手し、2016年3月に近畿財務局が学園側に支払える金額の上限を尋ね、学園側が約1億6000万円と回答していた事実をスクープ。この報道は『NHKニュース7』でも取り上げられましたが、報道局長から叱責を受けました。

このスクープ報道が、その後の森友学園問題の真相解明へと繋がる大きなきっかけとなりました。

NHK退職、そして新たな挑戦

森友学園問題の報道後、相澤氏はNHK考査部への異動を内示され、2018年8月31日付でNHKを退職しました。その後、新日本海新聞社に入社し、大阪日日新聞で論説委員・記者として活動。2018年12月には、著書『安倍官邸 vs.NHK―森友事件をスクープした私が辞めた理由』を出版しました。

退職後も、相澤氏は森友学園問題の真相を追及し続け、財務省職員の赤木俊夫氏の手記を『週刊文春』で公開。この報道は大きな反響を呼び、赤木氏の妻である赤木雅子氏との共著『私は真実が知りたい―夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ？』を出版しました。

また、相澤氏は、様々なメディアで自身の見解を発信し、ジャーナリズムのあり方や社会問題について積極的に語っています。2021年には、無料ニュースレター「相澤冬樹のリアル徒然草」の配信を開始し、2022年には、週刊文春の特集記事が第2回調査報道大賞の優秀賞を受賞するなど、そのジャーナリストとしての活動は多方面で評価されています。

その他の活動と著書

相澤氏は、執筆活動だけでなく、テレビやインターネット番組にも出演し、活発な情報発信を行っています。

著書には、『安倍官邸 vs.NHK―森友事件をスクープした私が辞めた理由』の他に、『メディアの闇―「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』や『真実をつかむ―調べて聞いて書く技術』などがあります。これらの著書を通じて、相澤氏はジャーナリズムの現場での経験や、情報の本質を見抜くための技術について解説しています。

ジャーナリストとしての信念

相澤冬樹氏の活動は、ジャーナリストとしての強い信念と、真実を追求する情熱に基づいています。森友学園問題のような複雑な社会問題に果敢に立ち向かい、その真相を明らかにする姿勢は、多くの人々に勇気と希望を与えています。

彼の活動は、現代社会におけるジャーナリズムの役割を再考する上で、重要な示唆を与えてくれると言えるでしょう。

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