相生通り

相生通り：広島のメインストリート、歴史と発展の軌跡

相生通りは、広島県広島市の中心部を南北に走る主要な街路です。紙屋町や八丁堀といった繁華街を結ぶこの通りは、広島電鉄の路面電車も走り、市民生活の要として、古くから重要な役割を担ってきました。

歴史：広島城外堀から現代のメインストリートへ

相生通りの歴史は古く、元々は広島城の南側外堀でした。江戸時代から明治時代にかけて堀として存在していた相生通りでしたが、廃藩置県後、悪臭問題なども重なり、埋立が決定。道路として整備されることとなります。同時に、広島電鉄の軌道敷設も計画され、1912年（大正元年）、道路と路面電車が開通しました。

1929年（昭和4年）には広島県による市中心部の道路整備計画が策定され、相生通りが新たな国道として整備されることになります。幅員は約24.5メートルに拡幅され、1933年（昭和7年）に着工。1930年代後半までに整備が完了しました。当時の路線名は「都市計画街路十日市荒神線」でした。

昭和初期には、猿楽町（現在の広島市中区大手町一丁目）や広島県産業奨励館（現在の原爆ドーム）といった建物が相生通り沿いに存在していました。しかし、1945年（昭和20年）8月6日の原子爆弾投下により、相生通りを含む広島市中心部は壊滅的な被害を受けました。

戦後、相生通りは拡張工事が行われ、1952年（昭和27年）頃には現在の姿になりました。2008年（平成20年）4月1日には、道路管理者の一部移管に伴い、国道の路線番号変更が行われました。十日市交差点から広島市民球場南交差点間（0.8km）は国道54号から国道183号に変更され、広島市民球場南交差点から紙屋町交差点間（0.2km）は国道54号別線として存続しています。

なお、戦後、相生通りよりも上流の本川東岸に形成されたバラック住宅群（原爆スラム）も「相生通り」と呼ばれていましたが、ここで説明している相生通りとは別の場所です。

沿線風景：商業施設から歴史的建造物まで

相生通り沿線には、様々な施設が立ち並んでいます。紙屋町・八丁堀エリアは広島を代表する繁華街であり、多くの商業施設や飲食店が軒を連ねています。また、歴史的建造物や公園なども点在し、多様な表情を見せています。路面電車が行き交う様子は、広島の街の活気を象徴する風景となっています。

アクセス：路面電車でアクセス良好

相生通りは、広島電鉄の路面電車が複数路線走っており、アクセスが非常に便利です。1号線、2号線、3号線など、様々な路線が相生通りを通過しており、広島市内各地からのアクセスが容易です。

相生通りの魅力：歴史と現代が融合する街路

相生通りは、単なる道路ではなく、広島の歴史と発展を象徴する場所です。広島城外堀から始まり、国道として整備され、戦災からの復興を経て、現代の賑やかな街路へと変貌を遂げました。その歴史的背景と現代の活気が融合した相生通りは、広島の魅力を凝縮した空間と言えるでしょう。これからも、広島の街の中心として、人々の生活と発展を支えていくことでしょう。

参考文献

『広島新史 都市計画編』（広島市）
ひろしま戦前の風景 - 中国放送(RCC)

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