相良亨

相良 亨（さがら とおる）

相良亨は、日本思想史と特に日本の倫理思想を専門とする著名な学者です。1921年5月23日に石川県金沢市で生まれ、2000年10月14日にお亡くなりになりました。彼は東京大学の名誉教授であり、日本学士院の会員でもあります。

来歴

相良は、旧制水戸中学及び旧制水戸高等学校を卒業した後、1944年に東京帝国大学文学部倫理学科を卒業しました。彼の師は和辻哲郎であり、彼の考えを受け継ぎました。その後、茨城大学で助教授として教鞭をとり、その後1965年には東京大学文学部助教授、1971年には教授に昇進しました。1982年には定年退官し、名誉教授を名乗りますが、共立女子大学でも教授として活躍しました。かつての彼は、1996年春に勲三等旭日中綬章を受章しました。最終的には2000年にこの世を去りました。

相良は、日本文化における「美と倫理」の関係を深く考察し、和辻倫理学の伝統を継承しました。その研究の成果は、全6巻にわたる著作集として形になっています。

著作

相良亨は多数の著書を出版していますが、以下は彼の主な著作の一部です：

• - 『近世日本儒教運動の系譜』(弘文堂, 1955)
• - 『日本人の伝統的倫理観』(理想社, 1964)
• - 『近世日本における儒教運動の系譜』(理想社, 1965)
• - 『近世の儒教思想』(塙選書, 1966)
• - 『武士道』(塙新書, 1968; 講談社学術文庫, 2010)
• - 『本居宣長』(東京大学出版会, 1978; 講談社学術文庫, 2011)
• - 『誠実と日本人』(ぺりかん社, 1980; 増補版1998)
• - 『日本人の死生観』(ぺりかん社, 1984; 新装版1990)
• - 『武士の思想』(ぺりかん社, 1984; 新装版2004)

相良の研究テーマは広範囲であり、日本人の心や哲学、儒教思想、さらには死生観などについての洞察が含まれています。また、彼は『相良亨著作集』全6巻を通じて、自らの研究成果を集大成しています。

編著と他の業績

相良は個人の著作だけではなく、さまざまな編著にも関与し、例えば『日本の倫理』や『日本思想史入門』などの書籍を手がけています。加えて、彼は日本の思想家たちや古典にも関する校注作業を行い、その知識を後世に残す努力を重ねました。

遺産

相良の研究は、日本の倫理及び思想史を理解する上で非常に重要な役割を果たしています。彼の著作は、現代の学問や一般の読者にも影響を及ぼし続けています。彼の思想と研究は、今なお日本の文化や倫理観を理解するための重要な視点を提供しています。

相良の深い洞察と知識は、彼の著作や研究成果を通じて生き続け、今後の学問にも寄与することでしょう。

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