相鉄5000系電車

相鉄5000系電車の概要

相鉄5000系電車は、相模鉄道で1955年から2009年まで使用されていた通勤型電車です。この電車は初代5000系、アルミ製の5100系、そして2009年まで運用された2代目5000系の三つのバージョンに分けることができます。相鉄では横浜側の先頭車の番号を基に、編成を表現する公式な方法を採用しています。たとえば、横浜側の先頭車が5000号の4両編成は「5000F」と表されます。

初代5000系の歴史

初代5000系は、1955年12月から1960年にかけて製造されました。量産先行車としては2両編成2本を含む合計20両が日立製作所で製造され、相模鉄道にとって初の自社発注による高性能電車でした。車体は17mまたは18mの長さで、片側に3つのドアを持つ通勤形のデザインが特徴です。特にこのシリーズでは、車体側に機器を搭載するボディーマウント構造を日本で初めて採用しています。また、車両前面は大型の2枚窓で、当時流行していた「湘南形」のスタイルを取り入れていました。

車内設備と走行機器

初代5000系の車内はロングシートが採用され、暖房は主抵抗器の廃熱を利用していました。座席の生地には、登場当初はピンクが使用されていましたが、後の改良により紺色に更新されています。走行面では、最新のMM'ユニット方式を採用し、動力を効率よく配分することができました。ブレーキには日立製の電磁直通ブレーキが採用され、当時の走行性能は起動加速度2.9 km/h/s、常用減速度3.0 km/h/sでした。

台車には初代の4両には防振ゴムブロックを用いた日立KBD-108型が使用され、その後の車両にはコイルスプリングを採用したものが使用されました。残念ながら、初代5000系は1961年に実用的な6000系の導入が進む中で、老朽化に伴って置き換えられてしまいました。5000系は短命でしたが、その高性能な機器は次世代の車両開発に大きな影響を与え続けました。

5100系への改造

初代5000系の機器が再利用され、新たに5100系が1972年から1975年にかけて登場しました。このとき、軽量性に優れたアルミニウム合金で作られた新しい車体が組み込まれ、冷房装置を搭載することが可能になりました。5100系は4両編成での運用を基本とし、車体デザインは新6000系や2100系を参考にして合理化が図られました。客用ドアは両開きに変更され、車内のデザインもオレンジ色を基調とした暖かい印象に整えられています。

再び5000系に

1988年に、5100系は全車両の走行設備が更新された結果、再び5000系として運用されることになりました。この改造の際には、初代5000系の機器類のほとんどが交換され、現行のシステムに適応しました。基本的なデザインは5100系時代の設備を引き継いでいますが、新7000系と同基準の性能に向けられた設計が行われました。

最終運用と展望

2005年には相模鉄道の現行車両と統合され、2009年まで活躍しました。特に最後の編成となった5053Fは、多くのファンに惜しまれながらも引退することになり、その後すぐに解体されました。相鉄5000系電車は、相模鉄道の通勤電車史の重要な一部として、特別な存在感を持っています。これらの車両は、数々の技術革新をもたらし、次世代の車両設計に影響を与え続けました。

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