相鉄ED10形電気機関車

ED10形電気機関車の歴史

ED10形は、かつて相模鉄道に在籍していた直流用の電気機関車であり、1952年から1965年の間に製造されました。当初は貨物列車の牽引を目的として造られたモワ1形電動貨車を旅客電車へと改修した後、その後継としてED11が登場しました。その後、ED12、ED13、ED14と続き、計4両が製造されました。

外観と設計

ED10形の外観は、特に箱型のデッキ付き車体が特徴です。台車や主電動機は、既存の電車の部品が流用されており、ED11とED12は「東洋電機スタイル」と称される形態で、私鉄向け電気機関車の元祖とも言われています。これらの4両は基本的に同じスタイルを持っていますが、製造時期によって運転席の窓や側窓、通風口のデザインに微細な違いがあります。

運用の歴史

ED10形は、最初の製造からしばらくはセメント、砂利、一般雑貨の輸送に活躍しました。特に在日米軍に対しての燃料輸送も行われていましたが、1970年代後半からの貨物運送の需要低下に伴い、徐々に廃止が進みました。1986年にはセメント輸送が終了し、燃料輸送が主な運用となりましたが、老朽化や費用の問題から1998年に燃料輸送も休止となりました。その後は工事列車や新規製造車両の牽引に使用されることかありましたが、2007年にはモヤ700形が登場し、全車が廃車されました。

保存されたED11

ED10形の中で、最初期に造られたED11（1952年製造）の1両は、神奈川県海老名市にあるかしわ台車両センターで静態保存されることとなりました。その他の3両は、同センターより業者へ運ばれ、その後解体処分されました。神奈川新聞の報道によれば、ED11は見学用などに再利用される予定であり、2007年9月には同センターで修繕や再塗装が行われたとされています。

主要諸元

ED10形の主要諸元は以下の通りです：

• - 全長: 13,000 mm
• - 全幅: 2,440 mm
• - 全高: 4,190 mm
• - 運転整備重量: 45.0 t
• - 電気方式: 直流1,500 V（架空電車線方式）
• - 軸配置: B-B
• - 台車形式: DT13
• - 主電動機: MT30形（128 kW）×4基（ED14はMT40）
• - 1時間定格出力: 512 kW
• - 1時間定格引張力: 5,000 kg
• - 1時間定格速度: 36.5 km/h
• - 動力伝達方式: 歯車1段減速、吊り掛け式
• - 制御方式: 重連総括制御、抵抗制御、直並列2段組み合わせ制御

ED10形は、相模鉄道の歴史の中で重要な役割を果たし、多くの人々に親しまれた存在でした。

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