相馬顕胤

相馬顕胤（そうま あきたね）

相馬顕胤は、戦国時代に活躍した武将で、相馬氏の14代当主です。13代当主・相馬盛胤の子として生まれ、伊達稙宗の長女を妻に迎えました。1521年、14歳で家督を継ぎ、相馬氏の領土拡大と安定に尽力しました。

若き日の活躍

父・盛胤がかつて攻略したものの、岩城氏に奪われていた楢葉郡の富岡城と木戸城を1524年に奪還しました。弟の三郎胤乗を富岡城代に、下浦泰清を木戸城代に任命し、領土の防衛体制を強化しました。

天文の乱での活躍

伊達稙宗とその子・晴宗の間で起こった天文の乱では、稙宗方として懸田俊宗・義宗父子と共に活躍しました。顕胤は、稙宗を一時的に救出し、懸田城に移しましたが、後に晴宗が再び稙宗を幽閉したため、和解を試みます。しかし、晴宗が応じなかったため、やむなく戦うこととなりました。この戦いで顕胤は自ら指揮を執り、晴宗軍を苦戦させたと伝えられています。

激戦と領土の安定

信夫の大森城の戦いでは、双方に多くの戦死者を出す激戦となりました。また、平沢の合戦でも多くの犠牲者を出しました。しかし、伊達郡高子原の戦いでは晴宗軍を破り、稙宗を西山城から救出して小高城に送り届けることに成功しました。

小高入城と領民への配慮

顕胤は小高城に入城する前に、戦死者の霊を弔うための法要を営み、また、戦死者の留守宅を弔問しました。さらに、兵糧輸送に当たった領民をねぎらうなど、領民への深い配慮を示しました。小高城に入った稙宗は、後に丸森城へ移りました。

宇多郡の実権掌握

顕胤は、掛田出陣中に起こった黒木弾正正房・中村大膳義房兄弟の反乱を鎮圧し、宇多郡の実権を掌握しました。相馬中村城には草野式部直清を、黒木城代には青田信濃を置き、宇多、行方、標葉の三郡に実権を及ぼし、戦国大名としての相馬氏の基礎を固めました。

死去とその後

1549年2月2日、小高にて死去。嫡子・盛胤が家督を継ぎました。

人物像

顕胤は、身長が180cmを超える長身で、非常に力の強い勇将だったと伝えられています。また、文雅にも優れ、領民に深い慈愛をかけた人物であったとされています。他国を侵略することはなく、一方で、他氏からの侵略は完全に排除したと伝えられています。

顕胤の治世は、相馬氏の勢力拡大と領国の安定に大きく貢献した時代として、後世に語り継がれています。

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