相馬氏

相馬氏の歴史と系譜

相馬氏（そうまし）は日本の武家および華族として平安時代から明治時代まで続いてきた歴史ある氏族です。その始まりは、平安時代初期に常晴が下総国相馬郡にて相馬五郎を名乗ったことに遡ります。相馬氏の系統は、常澄、常清と続きますが、上総広常との関係により一時的に粛清されることになります。

封建時代の相馬氏

相馬氏の祖先は、平将門の子孫であるとも言われていますが、実際には千葉常胤の二男である師常が直接の祖です。師常は下総国相馬郡を領して、相馬の地名を名乗りました。奥州合戦において戦功をあげた結果、源頼朝から陸奥国行方郡を与えられ、1323年に相馬重胤が小高に定住しました。これにより奥州相馬氏の基盤が固まり、その後は磐城地方での力を強めました。

南北朝の争乱では、相馬氏は北朝に属し、戦国時代には伊達氏との抗争が続きました。豊臣秀吉への臣従により、一時期は小高の本領を安堵されていましたが、関ヶ原の戦いにおいて家康からの要請を無視したため、一度は改易されます。しかし、その後徳川家光の誕生を機に利胤が本領を回復しました。

江戸時代には中村藩として6万石の大名家となるとともに、歴代の藩主は様々な官位を保持しました。最後の藩主である相馬誠胤は、戊辰戦争中に官軍に降伏したため、処罰されずに本領を保つことができました。

明治維新以降の相馬氏

明治維新後、相馬家は華族制度の成立に伴い、大名家として華族に列しました。誠胤は中村藩知事に任命され、廃藩置県までその職を務めました。その後、華族令が施行され、子爵に列されることとなりました。相馬子爵家は、特に明治時代に宮内省で勤務するなど、華族としての社会的地位を維持しました。

3代子爵の恵胤の時代には、相馬家の邸宅が東京の下落合にあり、長期に渡って家族で繁栄を続けました。

近年、2011年の東日本大震災では、その当主である相馬行胤が旧領・福島県相馬市でのシイタケ農園経営を行い、被災者の支援を計画しました。

歴代の当主と関連氏族

相馬氏には多くの歴代当主がいましたが、特に師常や義胤、重胤らが知られています。相馬氏の系譜は千葉氏とのつながりも深く、戦国時代には伊達氏や岩城氏との対立が見られます。さらに、友好関係にあった佐竹氏や三河安藤氏などとも関係を持っていました。

相馬家の長い歴史は、時代を経てもなお日本の武家政権における存在意義を持ち続けています。歴史的背景を持つ相馬氏の系譜は、多様な要素を含みながら日本の土地と人々に深く根ざしています。

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