省略記号

省略記号とは、文字や図を省略する際に使用される記号の総称です。文章、数学、学術、表、図、音楽など、様々な分野で用いられ、その形態や用途は多岐にわたります。

文章における省略記号

日本語の文章では、主に以下のような省略記号が用いられます。

リーダー：二倍三点リーダーや二倍二点リーダー（例：「じゅげむじゅげむ……」）のように、文章の途中を省略したり、会話を省略したりする際に使用されます。
ダッシュ：倍ダッシュ（例：「その後のお話は、またの機会に——」）のように、話の継続を示唆する際に使われます。
波ダッシュ：「〜する」のように前の言葉を省略したり、「いつもいつも〜」のように同じ言葉の繰り返しを省略する際に使用されます。
繰り返し記号：「々」や「ゝ」、「ゞ」、「ヽ」、「ヾ」、「〱」、「〲」なども省略記号として扱われることがあります。

欧米の言語では、以下のような省略記号が用いられます。

アポストロフィー：「I'm」のように、単語の一部を省略する際に使用されます。
ピリオド：「P.S.」のように、略語を示す際に使用されます。
三点リーダー：「...」のように、文章の一部を省略する際に使用されます。
etc.：同様に、文章の一部を省略する際に使用されます。

数学における省略記号

数学では、数式や数列、行列などで以下のような省略記号が用いられます。

三点リーダー：数列や行列の要素を省略する際に使用されます。
ドット：循環小数を表す際に、数字の上にドットを付けて省略記号とする場合があります。（例：0.3̇, 0.1̇23̇）

学術における省略記号

学術分野では、単位を表す際に以下のような省略記号が用いられます。

単位記号：「cm」や「L」など、単位を簡略化して表記する際に使用されます。

表における省略記号

表では、特定の枡の内容が上や左の枡の内容と同じであることを示すために、以下のような省略記号が用いられます。

〃（ノノ字点）：同じ内容であることを示すために使用されます。
矢印：参照する内容の方向に向けた矢印で、同じ内容であることを示す場合があります。
区切り線の削除：区切り線を削除することで、同じ内容であることを示す場合があります。

図などにおける省略記号

図では、長さが長いなどの理由で以下のような省略記号が用いられます。

波線（≈）：グラフや地図などで、省略する箇所を示す際に使用されます。
地図での波線：道路などで、表記範囲外への経路を示す際に使用されることがありますが、河川との混同を避けるために使わないこともあります。
グラフでの波線：省略する箇所の軸や線上に波線を入れて、グラフの特定のデータ範囲が他のデータの範囲と著しく外れている場合に使用します。省略記号を挟んで目盛の間隔が異なる場合もあります。

音楽における省略記号

楽譜では、以下のような省略記号が用いられます。

反復記号：前の小節と同じ場合や、細かく表記すると分かりづらくなる場合に省略して表記します。詳細については、演奏記号の省略記号を参照してください。

その他

頭文字：特定の集団内で認識可能なように頭文字を取り出した文字を省略記号とする場合があります（例：国コード）。
一般化した省略記号：「№」のように、省略記号そのものが一般化している場合もあります。
日本語の省略記号：「(株)」や「㊙」なども省略記号として扱われます。
通貨記号、記号：「¥」や「€」、「%」なども省略記号と呼ばれることがあります。

省略記号は、文章や情報を簡潔に伝えるために不可欠な存在です。それぞれの分野で異なる記号や用法が用いられますが、共通して「省略」という役割を果たしています。これらの記号を正しく理解し使用することで、より効率的かつ正確なコミュニケーションが可能となります。

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