看護専門学校

看護専門学校について

看護専門学校は、厚生労働省が管轄する看護師養成機関であり、看護師を目指す人々にとって重要な教育機関です。この記事では、看護専門学校の概要、その役割、教育内容、設置主体、そして専任教員について詳しく解説します。

看護専門学校の概要

看護専門学校は、看護師を養成するための専門的な教育を提供する学校です。学校教育法における専修学校として位置づけられ、保健師助産師看護師法に基づいて厚生労働省から認可を受けています。看護学校という名称は、看護専門学校だけでなく、看護短期大学や大学の看護学部も含む場合がありますが、この記事では主に看護専門学校に焦点を当てて解説します。

看護専門学校の大きな特徴は、3年間という比較的短い期間で、実践的な看護スキルを身につけることに重点を置いている点です。そのため、講義だけでなく、医療処置や看護技術に関する実技演習、病院での実習がカリキュラムの多くを占めています。卒業時には看護師国家試験の受験資格が得られ、試験合格後に看護師として働くことができます。

近年では、社会人経験を経て看護師を目指す人も増えており、リカレント教育の場としても注目されています。

看護専門学校の設置主体

看護専門学校は、様々な設置主体によって運営されています。主なものとしては、以下のようなものがあります。

医療法人や社会福祉法人: 市中の病院や医師会などが運営する学校です。2000年以降、4年制大学への移行が進み、数は減少傾向にあります。
日本赤十字社や済生会: 社会貢献活動の一環として看護師育成に力を入れています。
農協の関連団体: 厚生農業協同組合連合会が運営する学校です。
労働者健康福祉機構: 労災病院に併設された看護専門学校を運営しています。
民間企業の職能病院: 製鉄所などの企業が運営する病院に併設された看護専門学校です。
宗教法人系: キリスト教修道会などが運営する学校や、過去には佼成看護専門学校や天理看護学院などがありました。
政治団体系: 民医連看護学校など、特定の思想を持つ団体が運営する学校です。
地方公共団体: 都道府県や市町村が設置運営する公立の学校です。病院に附属する形や、独立した学校として運営されています。
国（厚生労働省）: 独立行政法人国立病院機構が運営する学校です。近年は統廃合が進み、閉校する学校も増えています。
国立、公立、私立大学: 医学部附属看護学校として大学が運営する学校です。近年は大学の看護学科への移行が進んでいます。

看護専門学校の教育内容

一般的な3年制の全日制看護専門学校では、保健師助産師看護師学校養成所指定規則に基づき、以下のような教育内容が定められています。

基礎看護学: 看護の基本的な知識や技術を学びます。
成人看護学: 成人の疾病や健康問題に対する看護を学びます。
老年看護学: 高齢者の健康問題や看護について学びます。
小児看護学: 子どもの成長発達や疾病に対する看護を学びます。
母性看護学: 妊娠、出産、産褥期の女性に対する看護を学びます。
精神看護学: 精神疾患を持つ人への看護を学びます。
在宅看護学: 在宅で療養する人への看護を学びます。
地域看護学: 地域住民の健康問題に対する看護を学びます。
看護管理学: 看護組織の運営や管理について学びます。
統合看護: これまでに学んだ知識や技術を統合的に実践する力を養います。

これらの科目に加え、医療処置や看護技術に関する実技演習や、病院実習がカリキュラムに組み込まれています。

また、准看護師養成校からの進学者や高等学校の衛生看護科出身者のための2年課程の進学コースも存在します。ただし、准看護師養成校の減少に伴い、進学コースも減少傾向にあります。

専任教員

看護専門学校で学生に授業を行う教員は専任教員と呼ばれます。保健師助産師看護師学校養成所指定規則では、看護師養成所には、必要な教育内容を教授できる適切な数の教員を配置することと、8人以上の看護師資格を持つ専任教員を配置することが義務付けられています。

専任教員になるためには、5年以上の看護師としての実務経験に加え、厚生労働省が定める研修を修了するか、特定の専門分野で3年以上の経験と大学で教育に関する科目を履修する必要があります。

まとめ

看護専門学校は、実践的な看護スキルを身につけ、看護師として活躍するための重要な教育機関です。多様な設置主体によって運営され、それぞれに特色があります。看護師を目指す方は、自分に合った看護専門学校を選び、看護の道を歩んでください。

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