真・女神転生II

『真・女神転生II』は、1994年 3月18日にアトラスより発売されたスーパーファミコン用ゲームソフトであり、真・女神転生シリーズの第二作にあたります。

概要

舞台は前作から数十年後の21世紀後半の東京。主人公の行動によって属性が変化し、ストーリーが大きく分岐するシステムは健在です。前作の世紀末的なイメージを継承しつつ、荒廃した世界、未来のコロニー、バーチャルリアリティなど、1990年代当時のサイバーパンク的な要素を前面に押し出した作風が特徴です。一方で、終盤の魔界は生命の樹（セフィロト）を模した構造になっており、オカルト的な要素も色濃く残っています。

システム面では、漢字の導入、マーカーセットやワンボタンによるダンジョンマップ表示、オートリカバー、エネミー・アピアランスインジケーターなど、数々の改良・進化が見られます。これらの新システムは、後のPlayStationやGBAでリメイクされた『真・女神転生』にも導入されました。2002年にはPlayStationでリメイクされ、主要人物と一部の悪魔のイメージイラスト、パッケージイラストが金子一馬によって新たに描き下ろされています。

システム

悪魔合体において、魔法継承という概念が初めて導入されました。これにより、合体元の悪魔が持つ魔法が一定の法則に従って受け継がれるようになり、合体で作成した悪魔の所持魔法に違いが生まれるようになりました。ただし、有用な補助魔法であるタルカジャ（攻撃力強化）やスクカジャ（命中率上昇）は継承されにくい傾向にあり、終盤はこれらの魔法が使える前提のバランスになっているため、難易度は前作よりも上昇しています。

その他の主な変更点としては、以下の点が挙げられます。

悪魔の種族の属性変更
戦闘における前列・後列の概念の導入
仲魔の特技（EXTRA）を選択して使用可能に（HP/MP消費）
悪魔の所持する特技・魔法が最大6種類に
イベントアイテムと通常アイテムの個別管理
店でのアイテムまとめ売り・まとめ買い機能
バーのシステム変更
ディスコを別マップに
デビルアナライズの容量制限撤廃
敵悪魔が2種類まで同時出現
コンフィグ機能の追加
一部魔法の削除

施設

カジノ、占い屋、バーチャルバトラーといった新たな施設が追加されました。

カジノ：コインと現金を交換してスロットやバカラなどをプレイできます。コインは非売品アイテムと交換可能です。
占い屋：次に何をすべきかを有料で占ってもらえます。
バーチャルバトラー：仮想現実の戦闘訓練施設。経験値を稼げますが、お金やマグネタイトは入手できません。また、悪魔との会話はできません。
リペア・ガレージ：全属性対応の回復施設です。
温泉：魔界に登場する回復施設。属性ごとに効果が異なります。

魔法

新たな魔法が追加されました。

メディラマ：味方全体のHPを中程度回復
デカジャ：相手にかかった能力上昇効果を打ち消す
リカジャ：自分たちにかかった能力低下効果を打ち消す
テトラ：魔法攻撃を1ターン無効化
ネクロマ：DEAD状態の仲魔をUNDEAD状態で召喚

戦闘

主人公とパートナーが戦闘不能になるとゲームオーバーになります。前作同様に三途の川を渡るシーンがありますが、今作では冥府の川を渡り、カロンが魂を迎えに来る演出が追加されています。

ストーリー

202X年、大洪水によって水没した東京。生き残った人々はカテドラルに集い、「TOKYOミレニアム」と呼ばれる共同社会を築きます。そこは「センター」と呼ばれるメシア教徒の統治組織によって管理され、厳格な階級社会が形成されていました。そんな中、記憶喪失の戦士ホーク（主人公）が現れ、コロシアムで連戦連勝を重ね、市民を熱狂させていきます。

登場人物

メインキャラクター

ホーク / アレフ：本作の主人公。コロシアムの戦士として活躍する男性。その正体は、メシアとなるべく造られた人造人間「プロトタイプ・1」です。
ヒロコ：アレフに協力する女性。センターの住人で、アレフの産みの母親でもあります。
ベス：アレフに献身的に尽くすテンプルナイト。メシア教の敬虔な信者であり、アレフを守って命を落とします。
ザイン：最強のテンプルナイト。当初はセンターに忠実でしたが、次第に疑問を抱き始めます。その正体はサタンです。
ギメル：理想郷アルカディアの管理者。主人公の選択によっては敵対します。
ダレス：前作の主人公に似た風貌の男性。アレフを救世主に仕立て上げるためのアンチメシアとして作られました。

サブキャラクター

スティーブン：謎に包まれた車椅子の男性。アレフに様々なサポートをしてくれます。
レッド・ベアー：羽田ジム所属の戦士。ホークに敗れます。
目加田：元センター所属の科学者で、ヒロコの実父。メシア・プロジェクトの中心人物でしたが、方針に疑問を抱き逃亡しました。
花田：元センター所属の科学者。悪魔に強い興味を持ち、儀式によってメルクリウスを召喚しますが、殺害されます。
岡本：記憶喪失の主人公を育て上げた男。かつてはコロシアムの戦士でした。
羽田：ヴァルハラでジムを経営する男。かつてはコロシアムの戦士でした。
マダム：ヴァルハラを支配する美女。千年王国へ連れて行く人間を選定するために雇われました。
司教：センターの司令塔を務める老人。アレフを救世主として祭り上げようと暗躍します。
ケルベロス：マダムのペット。序盤はアレフに同行します。
ルイ・サイファー：主人公の前に現れる金髪の男。その正体は魔王ルシファーです。
元老院：センターを影で操る4人の最高指導者。その正体は大天使ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルです。

用語

メシア教：救世主の降臨と千年王国の実現を説く宗教。TOKYOミレニアムを支配しています。
TOKYOミレニアム：カテドラルを元に作られた超巨大建造物。環境汚染により、ここ以外では生存が困難になっています。
センター：TOKYOミレニアムの中央に位置する建造物。各エリアを管理しています。
地下世界：かつての東京。ミュータントや妖精、ガイア教徒が住んでいます。
ガイア教：メシア教に対抗する宗教。センターの弾圧対象となっています。

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