ウリエル

ウリエルについて

ウリエルは、ヘブライ語で「神の光」「神の炎」を意味し、ユダヤの神秘派文学において重要な役割を果たす天使です。彼の存在は、旧約[[聖書]]の外典や新約[[聖書]]の中で言及されていますが、カトリック教会の正典には含まれていません。ウリエルという名前は、預言者ウリアに由来すると考えられています。

ウリエルは、ミカエル、ガブリエル、ラファエルと共に「神の御前に立つ四人の天使」の一人であり、しばしば大[[天使]]、熾天使、智天使として描かれています。彼の姿は、書物や巻物を持ち、裁きと預言の解説者としての役割を示すものとして描かれたり、開いた手の中に炎を灯している姿が表現されることが多いです。

ユダヤ神秘主義におけるウリエルの役割

旧約[[聖書]]の外典である『エチオピア語エノク書』では、ウリエルはエノクを天国に引き上げ、その案内役を務めました。また、神の使いとして、地上での邪悪に対抗するために送られ、特にノアに洪水の危機を知らせる役目を担いました。ウリエルは七人の大[[天使]]の一人として、タルタロスと世界を見守る存在とされています。さらに、彼は天におけるすべての発光体や、自然現象を司る天使でもあります。

『第四エズラ書』においては、ウリエルはエズラの幻視の説明役として登場し、神の正義について深い問いを提起します。神に対する人間の苦悩やイスラエルの運命について問うエズラに対し、ウリエルは神の意志を伝える役割を果たします。

ユダヤの伝承に登場する『ヨセフの祈り』では、ウリエルが「ヤコブという名で呼ばれる」と述べ、自らが人間の形を持って地上にいることが示唆されています。このことは、ウリエルが人間に変身した最初の天使である可能性を示しています。また、《アダムとイヴの生涯》では、ウリエルがエデンの園の門を守る智天使として描かれています。

新約[[聖書]]でのウリエルの描写

ウリエルは、新約[[聖書]]の外典『ペトロの黙示録』にも登場し、懺悔と神の裁きを行う天使として描かれています。神を冒涜する者への罰として不敬者を火で炙る役割を果たし、終末の日には地獄の門を開いてすべての魂を裁くとされています。

ウリエルの文学的描写

ウリエルは、ジョン・ミルトンの『失楽園』においても重要な役割を与えられています。この作品では、彼は熾天使として太陽の運行を司る存在として描かれています。

補足情報

ウリエルは、旧約[[聖書]]『創世記』でヤコブと格闘した天使の有力候補としても挙げられます。745年のローマ教会会議では、ウリエルは堕[[天使]]として名前が挙げられ、これは聖書に明記されたミカエル、ガブリエル、ラファエル以外の天使に対する堕落を示すものでした。

また、儀式魔術におけるウリエルは、地の元素、緑色、北の方角に関連付けられています。占星術では、ウリエルは宝瓶宮を司る天使と見なされています。

ウリエルは、ユダヤ教の神秘主義や文学において多面的な形で存在し、信仰や概念に影響を与えてきました。

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