真壁広幹

真壁広幹について

真壁広幹（まかべ ひろもと）は、南北朝時代に活躍した武将で、真壁氏の歴史において重要な位置を占めています。彼は正慶元年/元弘2年（1332年）に誕生し、永和3年/天授3年（1377年）に亡くなりました。彼の血筋は真壁氏の系譜の中で、祖父の真壁政幹と関連しており、実際には政幹の子ではなく孫であることが文書によって確認されています。

広幹の成り立ちと家系

広幹は、祖父の政幹から土地を譲り受けており、その譲状が観応3年/正平7年（1352年）の文書に残されています。この文書には、広幹が父子それぞれの立場で常陸国に存在していることが記されており、彼の一家がどのように真壁郡を継承しているのかが描かれています。特に興味深いのは、広幹の父が南朝方にいたことを示唆する内容で、広幹自身は北朝方の足利尊氏に従っていたため、家族内での立場や関係性が複雑であったことがわかります。

広幹は、観応3年に「家督」と「惣領」に従い、下野国の西明寺城を攻撃し、戦功を挙げたとされています。この戦いでは、惣領である真壁高幹を「惣領」と呼ぶことから、広幹が庶流であったことが示唆されています。文和5年の足利尊氏の上洛には同行し、そこでの戦闘に参加したことが文書に記されています。

政幹との関係と土地の相博

また、広幹は祖父から譲られた山田郷の土地を巡り、同じ真壁氏の一族である真壁光幹と土地交換を行った記録も残されています。この相博に関する文書は、広幹が小木曾荘を所領として持っていたことが示されており、彼が光幹と土地を交換することで、家系の地位を強化したことが伺えます。

広幹の家系は、真壁氏の家督を受け継ぐ際にいくつかの異なる説が存在します。通常、高幹から政幹、そして広幹と続くとされていますが、政幹と広幹の実際の関係は文書で示されているものとは異なる可能性が高いのです。

影響力の変遷と広幹の位置づけ

広幹の時代において、真壁氏はその由緒ある家系において重要な変更を迎えました。文和3年には真壁高幹が亡くなり、その前後で真壁氏の嫡流が滅んでしまったとされます。その結果、広幹は美濃出身の庶流として新たに真壁氏の宗家を築くことになりました。このことから、広幹は真壁氏の「中興の祖」とみなされ、後の子孫につながる重要な役割を果たしました。

結論

広幹の生活と功績は、真壁氏の歴史を深く理解するために欠かせない要素です。彼の存在は武士の家族関係や政治的な動乱の時代背景を反映しており、その後の家系の発展に重要な影響を与えました。真壁広幹は、南北朝時代の武将の中でも特異な存在であり、その物語は後世に伝わる重要な歴史の一部となっています。

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