真夜中すぎの恋

「真夜中すぎの恋」

「真夜中すぎの恋」は、日本のロックバンド安全地帯が1984年4月16日にリリースしたシングルです。この楽曲は、前作の大ヒット「ワインレッドの心」から約5か月後にリリースされた、彼らの5枚目のシングルとなります。作詞を井上陽水が手掛け、作曲は玉置浩二が行い、編曲は安全地帯と星勝が担当しています。

楽曲の特徴

本作は、前作の歌謡曲らしい作風とは異なり、よりロックバンドとしての一面を強く打ち出した楽曲に仕上がっています。制作にあたっては、作詞家の松井五郎も参加を試みましたが、井上の歌詞が最終的に採用されました。松井は、アルバム制作用のデモテープを受け取った状態で締切が迫っている中、全曲に対して歌詞を書き下ろしました。結果として、前作の歌詞は使用されなかったものの、その後の安全地帯の楽曲の多くは松井の作詞によるものとなりました。

音楽的要素

「真夜中すぎの恋」では、イントロにおいて矢萩渉のギターが際立っており、玉置浩二のボーカルも強いロック色を持っています。この楽曲は、予期された歌謡曲の要素を期待していたリスナーにとって良い意味での驚きを与え、安全地帯の持つロックバンドとしての力強さを感じさせるものとなっています。また、前作のリリース直前に、玉置が提供した中森明菜のシングル「サザン・ウインド」がオリコンシングルチャートで1位を獲得しており、その勢いを引き継ぐ形でも注目を集めました。

リリースと成績

このシングルは、1984年4月16日にKitty Recordsから7インチレコードとして登場し、B面には松井五郎による「…ふたり…」が収録されています。この曲は、後に安全地帯の音楽活動において重要な役割を果たすことになります。オリコンシングルチャートでは最高位20位を記録し、14週にわたってチャートに残り、売り上げ枚数は約9.7万枚となっています。また、前作の影響を受けて、有線放送でも10位以内にランクインしました。1988年には8センチCDとして再リリースされ、楽曲の魅力は時代を超えて多くのファンに親しまれています。

アルバム収録と再アレンジ

本作は、2010年にリリースされたセルフカバー・アルバム『安全地帯 Hits』にも収録されており、このアルバムでは曲のアレンジが大きく変更されています。また、2013年のロック・フェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」でのパフォーマンスでも新たなアレンジで披露され、今もなお多くのリスナーに愛されています。

シングル収録曲

• - A面: 真夜中すぎの恋
• - B面: …ふたり…

「真夜中すぎの恋」は、安全地帯の音楽史においても重要な楽曲であり、彼らのスタイルを確立するための一歩へとつながる作品となりました。

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