真山隼人
真山 隼人（まやま はやと）氏は、1995年3月10日、三重県鈴鹿市に生まれた浪曲師です。本名を内田隼人といいます。公務員の父と音楽を愛する両親のもとで育ち、小学生の頃からラジオを通じて浪曲の魅力に触れました。熱心さは高じ、小学5年生の時には、誰にも告げずに名古屋の浪曲公演へ一人で足を運ぶほどのめり込んでいました。
この幼い頃からの情熱が実を結び、2010年5月、わずか15歳で二代目真山一郎氏（当時の芸名は真山広若）に師事。浪曲師への道を歩み始めました。翌2011年4月には公益社浪曲親友協会に籍を置き、同年10月に一心寺門前浪曲寄席にて初舞台を踏みました。高校生浪曲師の誕生は大きな話題を呼び、若き才能として注目を集めました。2012年には、浪曲の定席である浅草木馬亭への初めての出演を実現するなど、活動の場を広げていきました。その才能は地元でも評価され、2013年4月には第12回三重県文化賞新人賞を受賞しています。
2014年8月には、故郷である鈴鹿市の魅力をPRする「鈴鹿シティーセールス特命大使」（鈴鹿と・き・め・きドリーム大使）に任命され、地域貢献にも励んでいます。同年11月には、若手にとって登竜門ともいえるNHK東西浪曲大会に初出演。10代での出演は初めてのことであり、その実力が全国に知られるきっかけとなりました。
キャリアを積む中で、2015年10月には師を変更し、真山誠太郎氏の門下に入ります。そして、2016年2月には真山一門において実に31年ぶりとなる三味線浪曲の再興を果たし、古典だけでなく新たな表現にも積極的に挑戦する姿勢を示しました。こうした日々の精進が認められ、2018年12月には第73回文化庁芸術祭新人賞という栄誉に輝きました。2020年には、新型コロナウイルス感染症のパンデミックという困難な状況下でも歩みを止めず、自身で浪曲CDを制作・リリースし、反響を呼びました。
順調にキャリアを重ねていた真山氏に予期せぬ試練が訪れます。2021年10月22日、自宅で倒れているところを、共に活動する合三味線の沢村さくら氏に発見され、緊急入院。急性硬膜外血腫という重篤な病状でしたが、速やかに手術が行われました。一時はその安否が心配されましたが、倒れてから約一ヶ月後に、病の経緯と術後の経過が良好であることが関係者によって公にされました。その後、無事に退院し、自宅での療養と懸命なリハビリを経て、2022年1月15日の玉造・百年長屋での公演「浪曲の小部屋」、そして翌16日の十三シアターセブンでの「十三浪曲寄席」において、高座への復帰を果たしました。この奇跡的な復帰は、多くの浪曲ファンや関係者に感動を与えました。
近年も精力的に活動を続け、高い評価を得ています。主な受賞歴は以下の通りです。
特に花形演芸大賞においては、3年連続での受賞、うち2回の金賞受賞という快挙を成し遂げ、若手浪曲師の中でも突出した存在であることを証明しています。
そのレパートリーは古典から新作まで幅広く、主要な演目には以下のようなものがあります。
俵星玄蕃
日本の妻
嗚呼吉田松陰
ああ大塩平八郎
山本五十六
武蔵坊弁慶
嵐の中の日本
維新の歌
落城の舞
浅茅が宿
涙の関西鉄道
刃傷松の廊下
元禄秋晴れ街道
番場の忠太郎
亀甲組（複数段）
冥土の早駕籠
沖田総司哀史
かんざし
石田三成
鳥羽の恋塚
村上喜剣
円山応挙
北方の故郷
友情の翼
大高源吾笹賣の條
荒神山こぼれ噺
切支丹秘話 片割れ月
水戸黄門大阪の巻
ああ赤穂開城
紀文の船出、みかん船、戻り船
南部坂
藤十郎の恋
血煙高田馬場
水戸黄門奥州の巻
恋と武士道～岡野金右衛門
越の海出世談
元禄美少年～右衛門七とその妹
淡島神社秘話～与之助鏡
天下の糸平
善悪双葉の松
名刀稲荷丸
落語浪曲 まんじゅう怖い
柳田格之進
英国密航
* 観音丹次（連続物複数段）
また、自らも新作浪曲を手掛けており、「ビデオ屋の暖簾」、「ああ大黒屋光太夫」、「沢村さくら物語」、「落語風浪曲・二人蕎麦」、「縁は異なもの」、「激戦花畑高校相撲部」などを発表しています。
これまで、デビューの舞台となった一心寺門前浪曲寄席をはじめ、鈴鹿市文化会館、国立文楽劇場、NHK大阪ホール、渋谷区伝承ホール、浅草木馬亭、天満天神繁昌亭など、主要な会場で数多くの公演に出演しています。特に天満天神繁昌亭では、昼席や記念公演など、様々な形で高座を務めています。あべのハルカスでは「浪曲いろは文庫」という定期的な会を催すなど、浪曲の普及にも努めています。
メディアへの露出も多く、NHKの番組に出演したほか、YouTubeチャンネル「フィルムエストTV」の企画にも複数参加し、俳優やレポーター、声優など、浪曲師の枠を超えた多彩な才能を発揮しています。
真山隼人は、若くして浪曲の世界に飛び込み、その才能を開花させながら、大病という困難も乗り越えて復帰を果たしました。古典の継承に加え、新作や三味線浪曲の再興など、意欲的な活動を展開しており、現代浪曲界において次代を担う存在として、ますますその活躍が期待されています。
この幼い頃からの情熱が実を結び、2010年5月、わずか15歳で二代目真山一郎氏（当時の芸名は真山広若）に師事。浪曲師への道を歩み始めました。翌2011年4月には公益社浪曲親友協会に籍を置き、同年10月に一心寺門前浪曲寄席にて初舞台を踏みました。高校生浪曲師の誕生は大きな話題を呼び、若き才能として注目を集めました。2012年には、浪曲の定席である浅草木馬亭への初めての出演を実現するなど、活動の場を広げていきました。その才能は地元でも評価され、2013年4月には第12回三重県文化賞新人賞を受賞しています。
2014年8月には、故郷である鈴鹿市の魅力をPRする「鈴鹿シティーセールス特命大使」（鈴鹿と・き・め・きドリーム大使）に任命され、地域貢献にも励んでいます。同年11月には、若手にとって登竜門ともいえるNHK東西浪曲大会に初出演。10代での出演は初めてのことであり、その実力が全国に知られるきっかけとなりました。
キャリアを積む中で、2015年10月には師を変更し、真山誠太郎氏の門下に入ります。そして、2016年2月には真山一門において実に31年ぶりとなる三味線浪曲の再興を果たし、古典だけでなく新たな表現にも積極的に挑戦する姿勢を示しました。こうした日々の精進が認められ、2018年12月には第73回文化庁芸術祭新人賞という栄誉に輝きました。2020年には、新型コロナウイルス感染症のパンデミックという困難な状況下でも歩みを止めず、自身で浪曲CDを制作・リリースし、反響を呼びました。
順調にキャリアを重ねていた真山氏に予期せぬ試練が訪れます。2021年10月22日、自宅で倒れているところを、共に活動する合三味線の沢村さくら氏に発見され、緊急入院。急性硬膜外血腫という重篤な病状でしたが、速やかに手術が行われました。一時はその安否が心配されましたが、倒れてから約一ヶ月後に、病の経緯と術後の経過が良好であることが関係者によって公にされました。その後、無事に退院し、自宅での療養と懸命なリハビリを経て、2022年1月15日の玉造・百年長屋での公演「浪曲の小部屋」、そして翌16日の十三シアターセブンでの「十三浪曲寄席」において、高座への復帰を果たしました。この奇跡的な復帰は、多くの浪曲ファンや関係者に感動を与えました。
近年も精力的に活動を続け、高い評価を得ています。主な受賞歴は以下の通りです。
- - 2013年 第12回三重県文化賞新人賞
- - 2018年 第73回文化庁芸術祭新人賞
- - 2021年度 咲くやこの花賞大衆芸能部門
- - 2023年 令和4年度花形演芸大賞 銀賞
- - 2023年 令和5年度花形演芸大賞 金賞
- - 2025年 令和6年度花形演芸大賞 金賞
特に花形演芸大賞においては、3年連続での受賞、うち2回の金賞受賞という快挙を成し遂げ、若手浪曲師の中でも突出した存在であることを証明しています。
そのレパートリーは古典から新作まで幅広く、主要な演目には以下のようなものがあります。
俵星玄蕃
日本の妻
嗚呼吉田松陰
ああ大塩平八郎
山本五十六
武蔵坊弁慶
嵐の中の日本
維新の歌
落城の舞
浅茅が宿
涙の関西鉄道
刃傷松の廊下
元禄秋晴れ街道
番場の忠太郎
亀甲組（複数段）
冥土の早駕籠
沖田総司哀史
かんざし
石田三成
鳥羽の恋塚
村上喜剣
円山応挙
北方の故郷
友情の翼
大高源吾笹賣の條
荒神山こぼれ噺
切支丹秘話 片割れ月
水戸黄門大阪の巻
ああ赤穂開城
紀文の船出、みかん船、戻り船
南部坂
藤十郎の恋
血煙高田馬場
水戸黄門奥州の巻
恋と武士道～岡野金右衛門
越の海出世談
元禄美少年～右衛門七とその妹
淡島神社秘話～与之助鏡
天下の糸平
善悪双葉の松
名刀稲荷丸
落語浪曲 まんじゅう怖い
柳田格之進
英国密航
* 観音丹次（連続物複数段）
また、自らも新作浪曲を手掛けており、「ビデオ屋の暖簾」、「ああ大黒屋光太夫」、「沢村さくら物語」、「落語風浪曲・二人蕎麦」、「縁は異なもの」、「激戦花畑高校相撲部」などを発表しています。
これまで、デビューの舞台となった一心寺門前浪曲寄席をはじめ、鈴鹿市文化会館、国立文楽劇場、NHK大阪ホール、渋谷区伝承ホール、浅草木馬亭、天満天神繁昌亭など、主要な会場で数多くの公演に出演しています。特に天満天神繁昌亭では、昼席や記念公演など、様々な形で高座を務めています。あべのハルカスでは「浪曲いろは文庫」という定期的な会を催すなど、浪曲の普及にも努めています。
メディアへの露出も多く、NHKの番組に出演したほか、YouTubeチャンネル「フィルムエストTV」の企画にも複数参加し、俳優やレポーター、声優など、浪曲師の枠を超えた多彩な才能を発揮しています。
真山隼人は、若くして浪曲の世界に飛び込み、その才能を開花させながら、大病という困難も乗り越えて復帰を果たしました。古典の継承に加え、新作や三味線浪曲の再興など、意欲的な活動を展開しており、現代浪曲界において次代を担う存在として、ますますその活躍が期待されています。
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