真岡駅 (樺太)

真岡駅（ホルムスク＝ユージヌイ駅）

真岡駅は、かつて樺太の真岡町に位置し、樺太西線の重要な拠点駅でした。現在はロシア鉄道極東鉄道支社のホルムスク＝ユージヌイ駅として、その名残をとどめています。この記事では、真岡駅の歴史、変遷、そして現在の様子について詳しく解説します。

概要

1920年、樺太庁鉄道西海岸線の開通に伴い真岡駅は設置されました。当時の真岡は、日本海側の重要な漁業基地であり、内幌炭山や久春内方面への輸送拠点として機能していました。豊真線の開業により、豊原方面への起点ともなり、1932年には上野駅や小樽駅を模した駅舎に改築されました。

しかし、1945年のソ連軍侵攻と占領により、駅はソ連に接収され、1946年にはホルムスク＝ユージヌイ駅と改称されました。戦後の鉄道輸送体系再編の中で、駅の機能は縮小され、日本時代の駅舎は1992年に解体されました。

現在、駅には小規模なホームが1面のみ残っており、イリインスク方面やネヴェリスク方面への貨物列車が運転停車しています。1997年以降、長距離旅客列車は運行されていませんが、郊外へ向かう市民向けの区間運転列車が運行されています。

ホルムスク周辺鉄道駅の現況

ソ連時代、ホルムスクは本土とサハリンを結ぶ中継拠点として重要な役割を果たしました。ホルムスク機関区に隣接するホルムスク＝セヴェルヌイ駅は、漁業船団基地やサハリンプロジェクトの資機材荷揚げ拠点として整備され、コンテナ基地が設けられました。また、ホルムスクからユジノサハリンスク、チェーホフ＝サハリンスキー、トマリへの旅客列車の始発駅となっています。

一方、ポリャーコヴォ駅は、1973年のワニノ・ホルムスク鉄道連絡船就航に伴い、ホルムスク操車場が開設され、鉄道連絡船と貨物列車を中継する貨物拠点駅となりました。1991年にはホルムスク＝ソルチローヴォチヌイ駅に改称されました。

このような変化の中で、ホルムスク＝ユージヌイ駅は拠点駅としての機能を失い、ローカル駅へと転落しました。ソ連末期には駅舎も荒廃し、1992年に解体されました。解体直前には、廃墟となった駅舎から多くの日本の鉄道資料が持ち出され、JR東海に寄贈されました。

歴史

1920年10月11日：樺太庁鉄道西海岸線本斗駅 - 当駅間が開業。
1921年11月1日：当駅 - 野田駅間が延伸開業。
1926年11月15日：豊真線が乗り入れ開始。
1929年12月13日：当駅 - 浜真岡駅間の貨物支線が開通。
1932年12月5日：新駅舎が竣工。
1943年4月1日：鉄道省に編入。
1945年8月：ソ連軍が侵攻、占領。
1946年2月1日：国有鉄道線路名称から削除。
1946年4月1日：ソ連国鉄に編入され、ホルムスク＝ユージヌイ駅に改称。
1992年：駅舎が解体撤去。
1994年：ユジノサハリンスク方面行き列車が休止。
1997年：ネヴェリスク方面への定期旅客列車が消滅。

駅周辺

日本時代には、真岡町役場や真岡郵便局、樺太庁真岡中学校などが存在しました。現在は、ホルムスク都市管区役所（旧真岡中学校跡地）やレーニン広場、ショッピングモール「アルバトロス」、陸上競技場「マヤーク・サハリーナ」、中央地区文化ホールなどがあります。

隣の駅

樺太西線：手井駅 - 真岡駅 - （中真岡駅） - 北真岡駅
樺太西線（貨物支線）：真岡駅- 浜真岡駅

真岡駅は、その歴史の中で多くの変遷を経験し、現在はローカル駅としてその役割を担っています。しかし、かつての樺太西海岸における拠点駅としての記憶は、今もなお人々の心に残っています。

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