真弧

真弧（まこ）について

真弧（マーコ）は、考古学の分野で重要な役割を果たす計測器具です。主に遺跡の発掘現場から出土した遺物を正確に測定し、図化する際に使用されます。一般的に、この器具は長さが均一な棒状の部位が並んだ形状をしており、そのサイズは大小さまざまです。真弧は、遺物の輪郭を忠実に記録するために設計されています。

使用方法

真弧の使い方はシンプルですが、非常に効果的です。まず、棒状の先端部分を対象となる遺物に押し当てることにより、その輪郭を記憶させます。記憶された輪郭をなぞることで、遺物の正確な実測図を作成することが可能になります。この機能から「真実の弧を取る」という意味を持つ「真弧」という名称が付けられました。

歴史

この器具の起源は、建築業界で古くから使用されていた「型取り器（コンターゲージ）」にさかのぼります。真弧は昭和初期に考古学の分野で応用され始めました。考古学者の穴澤咊光は、「角田文衞によると、1928年頃には能勢丑三がこの器具を使用していた」と証言しています。また、京都大学名誉教授の小林行雄も1930年にこの器具を利用していたことを自著で述べています。

現在では、第一合成株式会社が1975年に設立され、真弧の生産を行っています。この会社は文化財事業の専門企業として知られており、自社製の真弧は多くの研究者に利用されています。

初期の真弧は金属など様々な素材で試作されたものの、遺物への影響を考慮し、最終的には竹製のものが主流となりました。それにより、考古学の研究を行う際に遺物を傷めるリスクを減らすことができました。技術の進歩により、現在では柔らかい金属材料が使用された真弧も登場し、より精度の高い測定が可能となっています。

参考文献

• - 小林行雄博士古稀記念論文集刊行委員会『考古学一路 : 小林行雄博士著作目録』平凡社、1983年9月。NCID BN08158263。
• - 角田, 文衞『考古学京都学派』雄山閣、1994年5月。ISBN 463901225X。
• - 文化庁『発掘調査のてびき-整理・報告書編-』同成社、2010年5月。ISBN 9784886217424。

外部リンク

• - 第一合成株式会社

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