真欨郷

真欨郷（まぶきごう）について

真欨郷は、平安時代に陸奥国行方郡に置かれていた郷の一つです。現在の福島県南相馬市原町区の中心市街地付近に位置していたと考えられています。

歴史的背景

『和名類聚抄』には、当時の国、郡、郷の一覧が記されており、その中に真欨郷の名前を確認することができます。行方郡には合計で6つの郷が存在したとされていますが、真欨郷を除く5つの郷については、現在の地名との関連性からおおよその位置を特定することができます。

しかし、真欨郷については、その地名が後世に引き継がれていないため、具体的な場所を特定するのが困難な状況です。

位置の推定

行方郡には、いくつかの河川が流れており、これらの河川流域に郷が設置されていたと推測されています。具体的には、新田川を除く3つの河川流域には、それぞれ1つから2つの郷が推定されています。新田川流域には、郡を治める役所である泉官衙遺跡が存在することから、この地域に郷がなかったとは考えにくい状況です。

以上のことから、真欨郷は新田川流域に位置していた可能性が高いと考えられています。

まとめ

真欨郷は、平安時代の陸奥国行方郡に存在した郷であり、現在の福島県南相馬市原町区付近に位置していたと推測されます。その具体的な場所は不明ですが、『和名類聚抄』に記載されていること、および周辺地域の地理的状況から、新田川流域にあった可能性が指摘されています。

参考文献

藤木海『南相馬に躍動する古代の郡役所 泉官衙遺跡』、新泉社、2016年。
源順『和名類聚抄』、村上勘兵衛により寛文7年刊。国立国会図書館デジタルコレクションで2021年4月に閲覧。

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