真歇清了

真歇清了（しんけつ せいりょう）は、中国南宋時代の曹洞宗の僧侶であり、曹洞宗の十世に当たります。俗姓は雍（よう）でした。

略歴

元祐4年（1089年）に綿州竜昌県（現在の四川省）で生まれました。11歳の時に聖果寺で出家し、清俊（せいしゅん）に師事して禅宗を学び始めました。18歳で具足戒（ぐそくかい）を受け、正式な僧侶となります。その後、三峡（長江の景勝地）を経て鄧州（現在の河南省）に赴き、丹霞子淳（たんか しじゅん）に師事しました。さらに、五台山や汴京（現在の開封市）を旅し、見聞を広めました。

26歳の時、真州（現在の江蘇省儀徴市）にある長蘆寺（ちょうろじ）で、祖照禅師（そしょうぜんじ）の侍者（じしゃ）となりました。35歳になると、長蘆寺の住職に就任し、寺院の運営に携わります。しかし、建炎2年（1128年）に靖康の変（きょうこうのへん）が勃発し、戦火を避けるため普陀山（ふださん）に避難しました。その後、宝陀観音寺（ほうだかんのんじ、現在の普済寺）の住職となり、寺院の復興に尽力しました。

その後も、真歇清了は台州（現在の浙江省）の天封寺（てんぽうじ）、福州（現在の福建省）の雪峰寺（せっぽうじ）など、各地の寺院で住職を歴任し、その指導力と人徳によって多くの信徒を集めました。

紹興21年10月1日（1151年11月10日）に、宝陀観音寺にて62歳で入滅（にゅうめつ）しました。その功績を称えられ、悟空禅師（ごくうぜんじ）という諡号（しごう）が贈られました。

真歇清了は、激動の時代を生きた僧侶でありながら、その精神は常に平穏であり、多くの人々に希望を与えました。彼の教えは、今もなお曹洞宗の重要な一部として受け継がれています。

参考文献
* 時光 (2014). “易律為禅的真歇大師” (中国語). 『海天仏国 普陀山』. 河南省鄭州市: 中州古籍出版社. pp. 30-32. ISBN 978-7-5348-4634-2

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