真武湯

真武湯（しんぶとう）

真武湯は、寒証や虚証といった状態に対して用いられる代表的な漢方方剤です。元々は玄武湯と呼ばれていましたが、宋の皇帝の名との重複を避けるため、真武湯と改称されました。

概要

真武湯は、身体を温め、体内の水分の巡りを良くすることで、体全体の機能を高める効果が期待できます。また、鎮痛作用も持ち合わせています。具体的には、以下のような状態の方に適しています。

冷え性の方
痩せ型の方
虚弱体質の方
体力が低下している方
腹痛や下痢を起こしやすい方

これらの症状の緩和や、消化不良、慢性腸炎、風邪などにも効果が期待できます。

ただし、体力が充実しており、のぼせやすい暑がりの方（実証・熱証）には適さないとされています。

構成生薬

真武湯は、以下の5つの生薬から構成されています。

茯苓（ぶくりょう）: 5.0 - 体内に溜まった余分な水分を排泄する効果が期待できます。
蒼朮（そうじゅつ）: 3.0 - 同様に、体内の水分バランスを調整する効果があります。
芍薬（しゃくやく）: 3.0 - 鎮痛作用があり、腹痛などの痛みを和らげる効果が期待できます。
生姜（しょうきょう）: 3.0 - 体を温める作用があります。
附子（ぶし）: 0.5 - 体を温め、痛みを和らげる効果があります。真武湯の主薬であり、黒色であることから玄武湯の名前の由来になったと言われています。

適応

真武湯は、様々な症状や病気に適応します。

虚弱体質
胃腸障害（胃下垂、胃アトニー、消化不良、慢性下痢）
慢性腸炎
慢性腎炎
ネフローゼ
疲労倦怠感
風邪
腹膜炎
心不全による動悸、心臓弁膜症
脳溢血
高血圧症、低血圧症
リウマチ
神経症
老人性そう痒症

副作用

真武湯の服用により、以下のような副作用が現れることがあります。

食欲不振
胃の不快感
吐き気
動悸
のぼせ
舌のしびれ
発疹
発赤
かゆみ

特に、附子はのぼせやすい方には適さないため、服用後にのぼせやしびれ感が出た場合は、服用を中止してください。

注意事項

真武湯を使用する際には、以下の点に注意が必要です。

禁忌: 体力が充実している方（実証・熱証）には適しません。
高齢者・小児: 高齢者は生理機能が低下しているため減量を考慮し、小児は附子が含まれているため慎重な投与が必要です。
妊産婦: 附子の副作用が出やすい為、投与を控えることが望ましいです。
飲み合わせ: 附子を含む他の漢方薬との併用には注意が必要です。
服用期間: 1ヶ月以上服用しても症状が改善しない場合は、医師に相談してください。
* 服用方法: 食前または食間に服用してください。

上記を参考に、真武湯を正しく理解し、服用してください。ご自身の体質や症状に合わせて、医師や薬剤師に相談することも大切です。

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