真法院町

真法院町（しんぽういんちょう）



大阪市天王寺区に位置する真法院町は、単独の町名であり、「丁目」の設定はありません。この町は、関西地方の住宅地において長年にわたり地価が最高額を維持していることで特に知られています。その特性から、時には兵庫県の芦屋市と比較され、「芦屋よりも地価が高い隠れた高級住宅街」と評されることもあります。

地理



天王寺区の中央やや東寄りに位置しています。東側は烏ケ辻、西側は上本町に接し、南側では勝山通を挟んで四天王寺地区や勝山に隣接しています。また、北側は小宮町と北山町にそれぞれ境を接しています。

区役所の情報によると、真法院町は昭和初期頃から、大きな邸宅が立ち並ぶ閑静な住宅地として発展しました。現在もマンションは見られますが、商業施設は少なく、静かで落ち着いた住環境が保たれています。

周辺には、大阪星光学院中学校・高等学校（伶人町）や四天王寺中学校・高等学校といった著名な私立学校があり、教育環境に恵まれた文教地区の一角を担っています。

地価



真法院町の住宅地における地価は、極めて高額で推移しています。例えば、2021年（令和3年）の地価公示によれば、真法院町10-6の地点では1平方メートルあたり63万5千円を記録しました。これは、関西地方の住宅地としては22年連続で最高額を更新しています。

このような高額な地価の背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、天王寺区全体が伝統校や進学校が集まる文教地区である点が挙げられます。加えて、主要な公共交通機関への高いアクセス性も大きな要因です。最寄りのJR線およびOsaka Metroの駅から徒歩わずか6分圏内であり、上本町や天王寺といった大規模ターミナル駅も無理なく徒歩で利用できる圏内にあります。こうした利便性の高さが、住宅地としての価値を押し上げています。

関西を代表する高級住宅街として知られる芦屋市（兵庫県）との比較について、国土交通省の担当者が興味深い見解を示しています。同担当者は、「高級住宅街というイメージと地価は必ずしも直接的に結びつかないかもしれない」と前置きした上で、「仮に同じ条件のマンションを建てた場合、六麓荘町よりも真法院町のほうが高額になる可能性はある」と産経新聞の取材に答えています。

歴史



真法院という町名の由来は、かつてこの一帯を構成していた旧村の小字名にあります。古くからこの地に存在したとされる「真法院」という名称が、その遺称として小字名に取り入れられ、現在まで引き継がれました。なお、この「真法院」は、勝山通を挟んで南に隣接する勝山地区に現在も所在しています。

歴史を遡ると、勝山通を挟んで南側に広がる四天王寺の壽法寺付近まで、「毘沙門池」と呼ばれる大きな池が広がっていた時期があります。この池は特に紅葉の時期には美しい景観を見せ、名所として親しまれていました。しかし、明治末期から大正末期にかけてこの池は埋め立てられ、その跡地に1927年（昭和2年）、天王寺区役所が設置されました。現在、区役所の敷地内には、かつてここに池が存在したことを伝える記念碑が建てられています。

交通



町域は、Osaka Metro谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅とJR大阪環状線の桃谷駅とのほぼ中間点に位置しています。いずれの駅からも徒歩6分程度の距離であり、公共交通機関を利用した移動に大変便利な立地です。

主な施設



町内および周辺には、以下の施設などがあります。


その他



郵便番号は543-0041です（集配局は天王寺郵便局）。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。