真源寺

真源寺（しんげんじ）

真源寺は東京都台東区下谷に位置する法華宗本門流の寺院であり、その山号は仏立山です。本寺院は、万治2年（1659年）に光長寺の第20世である日融によって設立されました。特に鬼子母神を祀っていることから、入谷鬼子母神の名でも知られ、多くの訪問者がこの寺院を訪れます。

寺院の概要

真源寺は、その歴史的な背景と文化的な重要性により、地域でも非常に認知されています。中でも、江戸時代から伝わる大田南畝の狂歌「恐れ入りやの鬼子母神」は有名です。この円熟した表現にもかかわらず、真源寺はその社殿だけでなく、咲き誇る朝顔によっても名を馳せています。

毎年7月には、七夕の前後に入谷朝顔市が開催され、これは東京下町の夏の風物詩として広く知られています。朝顔市は、地域の人々にとって重要な行事であり、全国的にも多くの見物客が集まる行事です。

文化財と朝顔市

真源寺が特に有名になったのは、明治時代になってからのことです。江戸後期にはすでに朝顔栽培が盛んでしたが、朝顔市の起源はこの時期にさかのぼります。地元の栽培農家が、当寺院の境内で自慢の朝顔を披露したのが始まりです。

明治時代を通じて入谷界隈では数十件の農家が朝顔を育てており、当地の朝顔は全国でも引き立つ出来栄えを誇っていました。朝顔のシーズンになると、多くの見物客が押し寄せ、人々の熱気が境内を包みました。しかし、宅地化の進展により、1920年代には朝顔農家が次々と廃業していき、朝顔市も衰退してしまいました。

それでも、戦後の1948年に地元有志と台東区の支援により、朝顔市は再び復活。以来、毎年7月の7日から9日にかけて、真源寺とその周辺の商店街で行われ、下町の風物詩として定着しています。

下谷七福神と福禄寿

真源寺では、七福神の一人である福禄寿も祀られています。福禄寿は幸福と長寿をもたらす神として信仰されています。

アクセスと交通手段

真源寺へのアクセスは非常に便利です。東京地下鉄日比谷線の入谷駅からは徒歩約4分、また、JR山手線の鶯谷駅からも徒歩5分です。また、都営バスも多くの路線が運行しており、旅行者にとってアクセスしやすい寺院となっています。具体的には上26系統や草41系統は入谷鬼子母神に停車します。

地域との結びつき

真源寺は地域社会に深く根ざしています。周囲には商店街も広がり、入谷鬼子母神があることで地域の交流の場となっています。寺院は、ただの宗教施設にとどまらず、地域の文化や伝統を振興する重要な役割も果たしています。観光客のみならず、地元の人々にとってもかけがえのない存在です。

真源寺を訪れる際には、単にその美しい境内や歴史的な価値を楽しむだけでなく、地域の文化や人々との触れ合いも楽しむことができます。

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